■露出狂きっかけ
意外と多かったのが、中高生の頃に露出狂に遭遇し、見たくもないのに見せられたケースだ。筆者のキャバクラポロリと似たシチュエーションである。抱いた感想は、「露出されたという出来事自体に驚きすぎたため、男性器への感想どころではなかった」「陰茎の存在は知っていたが、陰嚢の存在を認識していなかったため『何だろう?』と思った」など。
■初体験前の「B」において
初セックス前に彼氏から手コキやフェラチオなどのレクチャーを受けており、その際にご対面したとのこと。露出狂きっかけよりは、確実に幸せといえるだろう。
■2回目以降
初セックスが、豆電球すら灯さない真っ暗闇の中だったため、男性器を視覚で確認することなく挿入が行なわれた女性もいるようだ。確かに、女性側が初めてだと、男性側が「恥ずかしがるだろう」と気を遣って電気を消すのはごく自然な流れである。
筆者調べでは、初めて男性器を目にした時と初セックスが一致する女性はゼロであった。なお、初めて目にした男性器に対する感想だが、残念ながらポジティブな声は一切挙がってこず。「可愛い!」という意見はあったが、男性側としては複雑だろう。「グロテスク」「気持ち悪い」など、ネガティブな回答がほとんどであったが、ある意味これは仕方ない。自分の身体にはないものを、いきなり崇め奉れというほうが無理な話である。
一方で、男性陣にも「初めて女性器を目にした時のエピソード」を募ったところ、「無修正動画で見ていたが、ナマで見たのは初セックスの時」という人が圧倒的多数だった。感想としては、「どこがどうなっているのかわかりづらい」という意見がダントツでトップ。ほか、「初めてのセックスが気持ち良すぎて、女性器の感想は二の次だった」「女性器自体への感想というよりも、今までずっと見たいと思っていたものが目の前にある喜びのほうが強かった」「これを舐めることが自分にできるだろうかと、試されている気持ち」などなど。
男性側の感想のほうが、女性に比べてポジティブであることが判明した。では、女性たちがいまだに男性器に対して「グロテスク」「気持ち悪い」というマイナス印象を持っているかというと、決してそうではない。「気持ち悪いと思っていたモノで、こんなにも気持ち良くなるなんて!」と瞳を輝かせる女性がほとんどである。
そう考えると、第一印象がすべてではない。珈琲のようなものである。初めて飲んだ時は「苦い!」と思っても、段々それが良くなっていくものだ。セックスのみならず、何事に対しても、逆転は可能と捉え、前向きに技量を磨いていきたいものである。
(文=菊池美佳子)
菊池美佳子(きくち・みかこ)
1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21~29歳の間、キャバクラ嬢・テレフォンセックス嬢・企画物AV嬢としても活動。引退後、文筆業に転身。
■著書:『2010年代 ニッポンの風俗』/『つけちゃうぞ! 大人の保健体育』
『テレフォンセックス裏物語』/『Sの妹Mの彼女』