今月7日に放送された『ごぶごぶ』(MBS系)の中で、ダウンタウンの浜田雅功(50)が「リタイア」をほのめかす発言をしたとして話題を集めた。視聴者からの「60歳までに成し遂げてみたいことはありますか?」という質問に対して「そんな、別に」と言い、「やることなんかある? 俺ほんまリタイアしたいもん。巨泉みたいになりたい」と述べたのだ。
この浜田の発言に対してネット上では、「生涯現役よりずっとカッコイイ」や「至極まっとう」「金もあるだろうし、確かに働かなくていい」などのコメントが寄せられている。「やりたいことだけちょろちょろっとやって、“ほなっ!”言うてゴルフ行きたい」と語る浜田に対して肯定的な意見が多く見られた。実際、浜田が今後どうするかはわからないが、芸能界では大橋巨泉や上岡龍太郎のように、早期リタイアの先例も多く、決心さえすれば叶わぬものではないだろう。やはり、第一線で活躍し続けるということのほうが遥に難しいのが芸能界だ。
一方、そんな浜田に対して、ビートたけし(66)は、19日に放送予定の主演ドラマ『黒い福音~国際線スチュワーデス殺人事件~』(テレビ朝日系)の記者会見に出席した際、「タモリがそろそろ引退を考えてるらしいけど、オレはイヤだ。居座ってやる。イヤなじじいで森繁(久弥)目指します」と発言。現役続行の堅い意志を示す。そして、たけしに引退を考えていると名指しされたタモリだが、東スポによると、以前から噂されていた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)終了後について、「実際にタモリが夜の時間帯で新番組をやる計画は着々と進んでいる」のだという。引退どころか「まだまだやる気」と報じている。コアな人気を誇った『ブラタモリ』(NHK)の復活も噂されているし、『いいとも』から解き放たれたタモリは、伸び伸びと活躍することだろう。
また、今年も正月に放送された『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)では、コンビ揃って登場するはずのゴルフ対決で木梨憲武(51)の姿が見えなかったことから、とんねるずの不仲説が噴出。こうした事実に加えて、『アサヒ芸能』(徳間書店)は、オリコンでのインタビューの際に木梨が発した「BS方面にスライドしていく」という言葉を引用し、“地上波からフェードアウトするのでは”と報じている。唯一の地上波レギュラーである『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)には打ち切り説が絶えない状態でもあり、特番でもない限り、地上波放送で木梨の姿が見られなくなる日も近いかもしれない。
以前から60歳で第一線を退くのかと言われている明石家さんまや、「60(歳)過ぎのジジイがやるテレビなんて魅力ない」とインタビューで答えている所ジョージなど、世間の注目を集める大物芸能人たちの去就。だが、そうした報道が過熱してきたのもここ数年の話だ。やはりそれは彼らの年齢ということに尽きるだろう。そして、ついに大物の中ではもっとも若い部類に入る浜田がリタイアをほのめかしたわけだ。それは、若手(というか中堅芸人)の躍進が目に見えて現実のものになったということだろう。
もはや新番組を始めるのは、次期大御所と目される『ミドル3』のさまぁ~ず・雨上がり決死隊・くりぃむしちゅーではなく、その下の有吉弘行やフットボールアワーの後藤輝基といった面々になっている。人材が豊富なこの世代の台頭が現実になり、大御所たちの去就に注目が集まっているのだろう。とにかく、浜田の発言からは若い世代の活躍を意識しているような節がうかがえる。今後バラエティ界がどうなるのかはわからないが、世代交代の波が押し寄せているのは間違いない。大御所たちがまだまだ踏ん張るのか、若い力が圧倒するのか興味深い。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)