すでに番組終了が発表されている『笑っていいとも!』(フジテレビ系)に続いて、同局の看板長寿バラエティ『とんねるずのみなさんのおかげでした』も春には打ち切りになるのではないかと、7日発売の東スポが報じている。低迷する視聴率とメインを務めるとんねるずの2人のギャラがあまりにも高いことから、かねてよりことあるごとに打ち切りの噂があった『みなさん』。東スポ一紙の記事とはいえ、今回の報道はかなり信憑性が高いのではないかと関係者は語る。
「フジテレビ全体が元気ありませんからね。昨年は民放の視聴率争いで、トップを獲るどころか、その争いに加わることもできませんでしたから。何かを変えなきゃダメだという意識はあるでしょう。年明けに放送された『新春テレビ放談2014』(NHK)での好きなバラエティ番組ランキングのトップ10に選ばれたのは、フジでは『ホンマでっか!?TV』だけでしたからね。“バラエティのフジ”の称号はすでに過去のものといえるでしょう。こうした現実には、さすがのフジテレビも目を向けなければならないということです」(バラエティ放送作家)
東スポの記事によると、フジに出入りする制作会社プロデューサーの話として、フジテレビ会長の日枝久氏ととんねるず石橋の密接な関係が低空飛行を続ける番組の打ち切りを阻んでいるという。1988年の社長就任以来、フジのドンとして君臨し続ける日枝氏の影響力というわけだ。
しかし、東スポは、フジ全体の低視聴率や、その日枝氏が昨年11月に旭日大綬章を受賞したことで今春にも退陣するのではないかと見る。その結果、『みなさん』も打ち切りになるのではないかというのだ。
確かにフジ全体が低迷しているのは誰の目にも明らか。2013年の大晦日の視聴率競争では、『紅白歌合戦』(NHK)がドラマ『半沢直樹』(TBS系)の記録を超えたとか、『ガキの使いやあらえへんで!! 大晦日年越しSP』(日本テレビ系)が民放トップだったと話題になる中、『祝!2020東京決定スペシャル』(フジテレビ系)は2%台と惨敗。テレビ東京にも負けてしまうほどだった。
また、昨年末26日に放送された『みなさん』の『超豪華!男気&モノマネ年末特大2時間半スペシャル』も、他局に大きく水をあけられる始末。同時間帯の日本テレビ、テレビ朝日が2桁を記録する中、人気コーナーを放送しながら8%台だった。
前出の関係者が言うように、これだけの現実を突きつけられたら、さすがのフジも動かざるを得ないだろう。実際に『みなさん』が打ち切られるかどうかわからないが、それくらいのことをしなければ、フジテレビの再生というのは叶わない。かつてフジテレビが躍進したのは、昼の帯時間に、当時夜のイメージの強かったタモリを抜擢するような覚悟と斬新さがあったからだ。それをタモリは、「今なら江頭2:50がやるようなもの」と振り返っている。今のフジテレビに、江頭を昼番組のメインMCにすることができるだろうか。芸人が豊富にいる今とは時代が違うとはいえ、フジテレビにはその覚悟を思い出してほしい。ここまで低迷すれば怖いものなどないだろう。2014年は捨て身のフジバラエティに期待したい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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