有名女優を含む女性タレント30人あまりが「性接待」に関与した疑惑が持ち上がり、韓国の芸能界にまたもや激震が走っている。複数の現地メディアの報道を総合すると、斡旋ブローカーが上場企業の幹部らを相手に女性芸能人に売春させ、数億ウォンを荒稼ぎしていた。水原地方検査庁安山支庁が12日にこの人物を摘発したが、仲介によって売春していた女性タレントの中に現地で名の知られた有名女優が複数いたため、芸能界が大揺れになっているのだ。
現地メディアの報道によると、検察側は押収したリストなどを基に売春に関わった女性芸能人を特定。その中には90年に「ミスコリア」に出場して芸能界入りした30代女性タレントや、テレビドラマに何度も主演している女優も含まれているという。また、有名芸能人に似ている風俗嬢も売春に動員されていたといわれている。検察は名前が浮上した女性芸能人と関係を持った企業幹部らを割り出し、取り調べに入っているという。
韓国では、売春をすれば1年以下の懲役や300万ウォン以下の罰金・拘留などが科せられる。有名芸能人が次々と逮捕される可能性もあるだけに、韓国芸能界は大騒ぎになっているようだ。
「今までも性接待事件は多数ありましたが、大多数が政財界の要人に便宜を図ってもらうためのもので、芸能プロぐるみではないかと疑われていた。しかし、今回は単純に金銭が目的だったようです。最大で一回の売春に約1000万円のお金が動いたと伝えられており、摘発されたのはブローカー1人だけですが、その裏には大掛かりな芸能界売春ネットワークがあったと推測されています」(週刊誌記者)
検察サイドは芸能界の闇にメスを入れようと意気込んでいたが、売春ブローカーとみられる人物への逮捕状は棄却されたという。また、この人物をはじめ取り調べた女性芸能人らは容疑を完全に否定。検察は証拠固めをしているものの、これといった進展がなく、急激にトーンダウンしているようだ。
「韓国では、韓国版『花より男子』に出演した女優チャン・ジャヨンが09年に自殺し、彼女が『性接待を強要された』とするメモを残していたため、所属事務所の代表らが逮捕される騒動になりました。メモには性接待の相手として大手新聞社やスポンサー企業の幹部の名前が記されており、捜査当局は『聖域のない捜査』を掲げて事件の全容解明に乗り出した。ところが、程なく当局に圧力が掛かり、強要容疑などで事務所関係者8人が書類送検されただけで捜査はストップした。今回も同じようにトカゲのしっぽ切り程度で終わってしまう可能性がある」(前同)
はっきりとした名前の書かれたメモやリストがあっても、摘発に結び付かないほど韓国芸能界の闇は深いのだろうか。
「残念ながら、韓国の芸能界はワイロや性接待といった習慣が昔から根付いている。女優やアイドルで性接待に関わらずにいられるのは、本当に稀なケースしかありません。女性に限らず男性芸能人に至るまで、大多数がスポンサーや官僚、政界の要人らを相手にした性接待を経験しているはずです。日本人が名前を知っているような韓流タレントも、そういった道を歩んできた者は多い。これは芸能界だけでなく政財界にまで及んでいる根深い問題ですから、捜査当局が気張ったくらいで簡単に解決するようなものではない」(業界関係者)
韓国芸能界といえば、向精神薬「プロポフォール」不正使用疑惑に関連してイ・スンヨンやパク・シヨン、チャン・ミイネら人気タレントたちが相次いで検察の聴取を受けるという事件が今春に起きたばかり。先々月には、韓国最大のミスコン「ミス・コリア」の参加者の母親が「娘を入賞させるために裏金を要求され支払ったが約束が果たされなかった」として、その裏取引を暴露するという騒動も起きている。
大荒れとなっている韓国芸能界だが、人気女優の自殺などといった悲劇を繰り返さないためにも、ここでウミを完全に出し切ってほしいものだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)