1本のレギュラー番組を死守する“オンリーワンタレント”たち

1本のレギュラー番組を死守するオンリーワンタレントたちの画像1※イメージ画像 photo by Ibai Acevedo from flickr

 弱肉強食の芸能界の中でなんとかレギュラー番組を確保し、生き残っているタレントたち。今回注目したのは、わずか1本のレギュラー番組を死守する、いわば“オンリーワンタレント”たちだ。その中でも3人のタレントを取り上げ、それぞれの起用理由について業界関係者に聞いてみた。

 まずは、はしのえみ。土曜日の昼に放送されている生情報バラエティ『王様のブランチ』(TBS系)が唯一のレギュラーだ。ちなみに、番組が始まった1996年から出ている、ただ1人の出演者でもある。同番組では、お姫様のコスプレで街を闊歩し、買い物をしまくるコーナー『女王様のお買い物』で一躍ブレイクしたが、そんな姫も今年で40歳。さすがにコスプレがキツくなってきたのか、最近では私服で女性ゲストと雑貨店を巡ったりしている。そんな彼女が起用され続ける理由とは?

「正直、よくわかりません。ただ、長い間レギュラーの座にいると、制作側も情が移って切ろうとしても切れなくなる。また、はしののようなポジションはいそうでいないですからね。整形や枕営業など、とかく下世話になりつつある女性タレントの中では、害がなく敵を作らないタイプですから貴重と言えるでしょう」(業界関係者)

 確かにスケジュールやブログを見ると『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)や『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(テレビ朝日系)、『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)などワンポンイトで出ている番組もチラホラ。意外としぶといタイプなのか。

 同じTBS系を探して見つけたのが、原千晶である。原は、平日昼間の生ワイド番組『ひるおび!』(TBS系)の火曜日コメンテーターが唯一のレギュラーだ。所属事務所のホームページには『あさイチ』(NHK)もレギュラーの欄に載っているが、これは不定期出演。「第3月曜日」など出演タームが決まっていればレギュラーともいえるが、あくまで“不定期”なので厳密にはレギュラーではない。

「出ている理由はズバリ、司会の恵俊彰と同じワタナベエンターテインメント所属だからです。いわゆるバーターですよ。その点で言えば、隔週木曜に出演しているふかわりょうも同じです」(同)

 筆者はてっきり、原千晶が同局の安住紳一郎アナといとこなので、そのよしみで出させてもらっているのだと勘違いしていたが、その影響はあまりないようだ。

 最後は三瓶。こう書いてすぐに「さんぺい」と読める人も少なくなってきたのかもしれないが、かつては『笑っていいとも!』(フジテレビ系)などに出演していた注目の芸人だった。しかし、今思えばプチブレイクといった程度で、現在のレギュラーは『もしもツアーズ』(フジテレビ系)のみ。あとは、ルミネthe吉本に出演する日々だ。

「性格が悪く、現場ではあまり良い評判は聞きませんが、ツアーガイド役の平愛梨やキャイ~ン・ウド鈴木など、天然系の出演者が多い中で、良い中和役になっているのかもしれません」(同)

 以上の顔ぶれを見ると、オンリーワンタレントたちは良い意味でも悪い意味でも“画面を汚さない”タレントということがわかった。また、地味に売れ続けることのすごさを改めて気づかされた…。

 と原稿を締めようとして、あと1人いた。とんねるず・木梨憲武である。彼もレギュラーは『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)1本。10月に吹き替え声優を務めた映画のイベントに出演した際、「今は『みなさんのおかげでした』1本でやっているので、暇はあります」と現在の状況を自虐的にコメントしていた。もちろん妻で女優の安田成美の稼ぎもあれば、木梨自身もサッポロ一番のCMに出演しているので、当面の生活に困ることはないだろう。

 いずれにしても、他にも探せばいくらでもオンリーワンタレントはいるだろう。そして、そんな彼らは笑顔の裏で人知れず降板危機におびえているのかもしれない…。
(文=今井良介)

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