フジテレビ『FNS歌謡祭』も決別 「韓流」が死語になる日

1129kpop_main.jpg※イメージ画像:『最高K-POPガールズ Vol.4』オークラ出版

 今月25日、大みそかに行なわれる『第64回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表された。シンガーソングライターの泉谷しげる(65)や、EXILEの妹分としても知られるダンスアイドルユニットのE-girlsなど9組が初出場アーティストとして注目されている。紅白出場といえば“国民的歌手”の座にいることの証ともされるだけに、大きな注目をもって迎えられる毎年の出場歌手発表。だが昨年に引き続き、そこにK-POPアーティストの名前はなかった。

 東南アジアをはじめ、海外でもさかんに視聴されている紅白。それだけに、アジアへの進出を強めたい韓流関係者の間での落胆は相当なものと思えるが…。

「紅白の場合、『外国アーティスト枠』のようなものがあって、今回はアメリカ人シンガーのクリス・ハートの出場が決定しています。今年1年間を通してヒット曲といえるタイトルが出ていないことと、韓流というジャンル自体の真新しさがなくなったことが落選の理由でしょうね」(芸能ライター)

 古くは桂銀淑やキム・ヨンジャなども出演していた「紅白」。2002年にBoAが出演して以降は、若者向けアーティストとしての韓国人歌手の出演も見られたが、2011年のKARAを最後に韓流アーティストの出演は見送られている。

「KARAといえばダンスパフォーマンスをウリにしている面も大きかったのですが、その役割は今後E-girlsに交代するということかもしれません。メンバーのニコル(22)は来年1月に所属事務所との契約が切れますが、もはや引退の場として紅白の席を提供するほどの話題性はないのかもしれませんね」(芸能ライター)

 ところで、韓流をめぐる「地殻変動」は民放局でも起きている。21日に放送された『ベストヒット歌謡祭』(日本テレビ系)に韓流アーティストの姿はなく、10年近くにわたり日本に韓国の文物を広めることに熱心であったフジテレビの『FNS歌謡祭』にさえ出演しない見通しが濃厚となっている。これは、韓流ブーム終焉の兆候とも取れるが、やはり日本国内で高まる韓国への反感を反映したものなのだろうか。

「2000年頃からインターネット上では韓国で行われている反日活動などが盛んに取り上げられていましたが、これまでその影響力は限定的でした。ですが、昨今のスマートフォンの流行などで、これまではあまりネットの情報に目を通さなかった層にもそういった情報が伝わるようになり、結果として“韓国嫌い”が増えているのかもしれませんね」(ITライター)

 韓国では、政府主導で2009年にコンテンツ振興院を設立するなど、韓流コンテンツの販路拡大は国家事業として行われている。とはいえ、ダンスや歌唱、あるいはパフォーマンスだけならば、日本国内のアイドルでいくらでも「自給」することができる。韓流アーティストたちが最大の武器としてきたものは、韓国に対する漠然とした好意的なイメージだ。メディアが演出によってそういった雰囲気を醸成することが難しくなっている以上、「韓流」が死語になる日もそう遠くないのかもしれない。
(文=是枝 純)

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