故・若山富三郎さんの長男で俳優の若山騎一郎(本名・藤原敏章=48)容疑者が今月28日、覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕された。翌29日、同法違反容疑で上原謙さんの次女で若山容疑者の妻・仁美凌(本名・藤原芽英子=33)容疑者も続けて逮捕された。
互いに二世タレントである二人は、05年から交際を始めて昨年5月に入籍したが、僅か5カ月後の同年10月にスピード離婚。ところが今年になって復縁し、10月に再婚していた。若山容疑者は東京・南麻布の自宅マンションで覚せい剤を所持しており「1年前から持っていた。2日前にも吸引した」などと供述。捜査員が踏み込んだとき、その場にいた仁美容疑者も尿検査を受け、陽性反応が出たため逮捕された。
夫婦は都内に住んでいるにもかかわらず、なぜか検挙は千葉県の松戸署によって行われた。そのきっかけとなったのは、ある女性のタレコミだったという。若山容疑者の元交際相手で松戸市在住の舞台女優・明石智水さん(36)が、同署に情報提供したことで検挙につながったというのだ。
明石さんによると、若山容疑者はもともと明石さんと交際していたが、破局後に仁美容疑者と結婚。だが、仁美容疑者とスピード離婚すると明石さんとヨリを戻し、結婚の約束までした。ところが、明石さんとケンカが絶えないようになると若山容疑者は無断で婚約を破棄し、仁美容疑者と復縁してしまった。しかも二カ月近くも仁美容疑者とヨリを戻したことを明石さんに隠し、二股状態を続けていたという。
明石さんは精神的ショックで一時入院し、誠意ある謝罪を求めて若山容疑者との交渉を開始。最初の親族同席の話し合いでは「自分が謝罪する形で決着をつけたい」と言ってのけた若山容疑者だが、以降は話し合いのスケジュールを決めようとすると「下痢が…」などと体調不良を訴え、すっぽかすようになった。本来なら一方的な婚約破棄は慰謝料が発生してもおかしくないが、若山容疑者は「払ってやりたくても金がない」と開き直り、明石さんから借りていた5万円という小額の借金すら返す気配が全くなかったという。
明石さんは「借金の返済も慰謝料も期待していない」としながら「お金がないならないなりの謝罪の仕方が人にはある」と、若山容疑者に対面または手紙での誠意ある謝罪を求め続けた。
だが、謝罪のないまま若山容疑者は仁美容疑者と10月15日に再入籍。堪忍袋の緒が切れた明石さんは、2日後の同月17日付のブログで「覚悟」と題し、「今まだこの場で詳細を書くわけには行きませんが、やっと体調も戻ってきた今、この先後悔しないよう自分の良心、正義に従って行動します」と決意を綴った。
当初は「行動」が何を意味しているのか不明だったが、どうやら今回の逮捕劇が彼女なりのケジメであり復讐だったようである。
「今のところ明石さん側の一方的な言い分しか出ていませんが、若山容疑者の評判はサイアクでしたから、さもありなんといったところ。見栄っ張りで他人にすぐに食事をおごるなど外ではカネ払いはいいのですが、収入も計画性もないので金銭トラブルだらけ。父親や叔父の勝新太郎ら豪快な生き方の大物の背中を見ていたため、自分もカネや女にルーズに育ったのでしょうが、人間としての格が全く違う。中身にそぐわない環境で育ってしまった二世タレントの悲劇ともいえます。クスリに関しても、親の代から周囲にヤクザまがいの連中がうろついていたため、入手先には事欠かなかったでしょう」(週刊誌記者)
一部では、交遊関係の広かった若山容疑者の逮捕によって芋づる式に芸能人が検挙されるのではともいわれているが…。
「芸能人相手のクスリの売人は、簡単に尻尾をつかまれるようなことはしません。逮捕された芸能人にしても、もし本当の入手ルートやクスリをやっている別のタレントの名前を出せば、売人の後ろ盾である闇社会の連中に何をされるか分からないため、口が裂けても喋らない。仮に警察が入手先にたどり着いたとしても、芸能人にクスリを流しているような売人のバックにいる組織は二世タレントだけでなく、政財界に顔のきく大物実業者や政治家の子弟も顧客にしている。捜査には政治的な圧力が掛かりますから、警察も自分の身を危うくしてまで踏み込まない。芋づる式に検挙される可能性はないと断言してもいい」(ドラッグ事情に詳しい人物)
捨てられた女の一念が逮捕につながった今回の事件だが、残念ながら芸能界の膿を完全に出すのは難しいのかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)