世の中にはカップルという一つの形態がある。その形態を筆者トビタなりに説明するならば、「継続的に何度もセックスする関係」だ。大抵の男たちはこのカップルという形態を好む。かわいい子がいれば、付き合いたい、カップルになって継続的にセックスしたいと考える。
しかし男の中には、「同じ女と何度もやる気にはならない」という考えの持ち主もいる。そういう男は、ある女と一度ヤッたらサヨウナラ。二度と会うことはない。なぜこの男たちは、何度も同じ女と性行為を交わすことなく、次の女を求めるのだろうか。
その理由としてまず挙げられるのが「恋愛のゲーム化」ということだ。30歳で営業マンとして働くAさんは、その思考について熱く語った。
「別に僕は気持ちいいセックスがしたいわけじゃないんです。正直にいえば、セックスよりオナニーの方が手軽で気持ちいいですから。ただ、一人の女を裸にして、セックスに及ぶ。その瞬間に相手を征服した気になれるんです。それが楽しいんです。一度征服してしまえば、あとはもうどうでもいい。征服した人と何度しても、得られるものはありませんから」
Aさんにとって、恋愛はまさにゲーム。そのゲームにおけるゴールはセックスなのだから、そこまでたどり着けばあとはもうどうでもいいということだ。むしろ次のゲームに移りたい。一度攻略したゲームをもう一度やる気にはならない。
何とも残酷な考えだが、そういう男がいることは紛れもない事実だ。ただこのような冷徹な男でなくても、一度ヤッたらサヨウナラをしてしまう男はいる。
「同じ人と2回目、3回目とコトに及ぶと、単純に飽きてきませんか? たとえば最初はスレンダーでキレイな身体だと感動した女性でも、2回目、3回目と数を増やすうちに何とも思わなくなってくる。興奮しなくなるんです。おっぱいを見ても何も感じませんし、それこそオナニーと変わらない。僕はそのむなしさを味わうくらいなら、最初の感動を忘れないために一度きりの関係で終えた方が良いと思ってます」
こう語るBさんは、30歳でありながらもう5年以上彼女はいない。しかし、その5年の間に積み上げた経験人数は62人を数えるという。それだけの女性と相対すれば、なかには「ああ、この人とはもう一度ヤリたいな」と思う人もいたという。
「26、27歳の頃は、そう思って2度目のセックスをした女性も数人いました。でも、結局行きつく先は同じなんです。仮に2度目は合格点でも、3度目は興奮も半減。むしろ、もうヤル気にならない。ただ、一度でサヨウナラするのと二度でサヨウナラするのは女性にとって大違いで、一度きりなら女性もすんなり諦めるんですが、2度ヤッてしまうと後々とても大変なんです」
飽きることが大きな理由であるのは間違いないが、Bさんの言うように、2度3度とヤルことによって相手の女性の気持ちにアクセルがかかるのを恐れるという面もあるようだ。25歳で出版社に勤務するCさんも同じような見解を述べる。
「僕はそもそも女性と付き合うことができません。仕事優先だし、その仕事が多忙なので。彼女の存在はストレスにしかならないんです。とは言いつつも、タイプの女性と出会うとつい『この人なら付き合えるかも』と思うんです。で、付き合ってみるとやっぱり嫌になる。その時にあっさり別れられれば問題ないですが、そんな理解ある女性はいません。だから結局、どんなにタイプの女性が来ても『一回で終わり』と自分に言い聞かせるしかないんです。一回だけなら身元を隠してホテルですれば追われることもないですから」
大学生の頃は、「付き合う」と宣言しながらすぐに面倒になり、突然別れを伝えるという行為を繰り返していたCさん。しかしそれは相手の女性の恨みを買い、なおかつ自分の個人情報を知られているため、「非常に危険だ」と察知したという。それ以来、いくらタイプでいくら付き合いたいと思っても、過去の自分を思い出し、ホテルで一回したら二度と会わないのだという。
一度ヤッたらサヨウナラ。同じ女とは二度としない男たちは、「恋愛のゲーム化」「飽きる」「交際に興味がない」など、さまざまな心理傾向を持っているといえよう。男心もなかなか難しい。一筋縄ではいかないようだ。
(文=トビタシンイチ/ブログ「トビタシンイチのエロ探検記」)
トビタシンイチ(とびた・しんいち)
日夜エロネタを求めて風俗・合コン・ナンパに挑むエロ探検家であり、ライターとしてさまざまな失敗エピソードを紹介している。国内有数の早漏男子という顔も持つ。