セックスデートの待ち合わせが、「○○ホテル前・現地集合」だったらどれほどラクチンで手っ取り早いだろう。オトコなら、そう思わずにはいられないはずだ。
しかし、現実にはそういうわけにもいかない。物事には形式というものがある。食事もせずにいきなりホテルに連れ込むなど、ケダモノ扱いされるのがオチである。
よって、ほとんどの男性はセックス前に女性を食事に連れていっているだろう。ここで気になるのが、自分以外の人々が、セックス前の食事にどれだけカネをかけているかという部分。270円均一の激安チェーン店居酒屋なのか、はたまた銀座の高級フレンチなのか?
カネがかかるのは食事だけではない。平成世代にとってラブホテルのワリカンは当たり前のようだが、昭和世代の場合は「男性側が支払うもの」という風潮になっている。そう、ホテル代だ。さすがに今どき「シティホテルじゃなきゃ絶対にイヤ!」などと言うバブルの生き残りのようなオンナはいないだろうが、ひとくちにラブホテルといってもランクは様々。世の中の男性は、どの程度のホテルを利用しているのだろうか? さらに1つのラブホテル内でも、部屋によって数千円の差がある。数千円を節約すべくもっとも安い部屋を選んでいるのか、見栄を張って高い部屋を選んでいるのか?
この不景気のご時世、1回のセックスになるべくカネをかけたくないというのが多くの男性の本音だろう。では、セックス前のデート費用を切り詰めたと仮定して、それは女性たちにバレているのだろうか? また、男性側がデート費用を切り詰めると、女性たちはセックスにおいて手抜きをするのだろうか?
一般男性に、セックス前のデート代をケチッたがゆえに、手抜きセックスをされた経験があるかリサーチしてみた結果、9割の男性が「デート費用をケチッたからといって女性側が手抜きをした経験はない!」と答えた。
まずは、「そもそもケチッたことがない!」という意見。女性ウケは確実に良いはずだ。また、高くなくても美味しい店に連れていけば、女性側のテンションが下がることはないと断言する男性も。グルメなオトコはセックスを制するといったところか。
次に、「セックスにおいて女性は受け身なのだから、手を抜かれていると感じるわけがない」という“そもそも論”。確かに、スタンダードなセックスは男性側が攻め役を担うものだ。そう考えると、手抜きという概念自体ありえないということになる。
なお、「手抜きされた経験アリ」と答えた男性に詳しく話を聞いてみたところ、出会い系サイトを介して知り合う援助交際目的の女性たちは、ホテルや部屋のランクをケチると、手抜きをする傾向が強いとのこと。出会い系サイトを利用する人は、充分にご注意いただきたい。
女性側の意見も紹介しよう。これまた、ほとんどの女性が「セックス前のデート代をケチられたからと言って、マグロな態度をとったことはない」と答えた。ということは、セックス前のデートにカネをかけたり、ランクの高いホテルや部屋をセレクトする必要はないのか?
女性陣に詳しく聞くと、「マグロな態度はとらないけど、次はないなって思っちゃいます」と口を揃える。また、マグロな態度はとらずとも、「安く見られているんだなぁ」とテンションがガタ落ちし、セックスに気持ちが入らない・早くイッてしまえと思っちゃう、とのこと。継続的なセックスフレンド関係を望むなら、ケチらずにそれなりのカネをかけるべきだろう。
では、「1回限りのオンナなら、安居酒屋に安ホテルの安部屋でいいのか?」という点に関しては、確かにその通りかもしれないが、女性である筆者としては推奨するわけにもいかない。茶の湯の大家・千利休も「一期一会」を心得としている。「どの茶会も一生に一度のものなのだから、誠意を持ってもてなすべきだ」という意味。現代男性も、一生に一度のセックスに対しても、誠意を持って「おもてなし」の心を持っていただきたいものだ。
(文=菊池美佳子)