14日深夜に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に、モデルでタレントの藤井リナ(29)が出演した。お騒がせモデルとして有名な藤井の久々のバラエティ露出ということもあって、放送前からネット上で話題になっていた同番組。藤井は、そんな自分の話題性を活かして、“ネットやワイドショーを騒がせない方法”を伝授する先生役として番組に登場し、実体験に基づく持論を展開した。
確かにネットニュースなどで取り上げられることの多い藤井。番組の中でも言っていたが、藤井リナで検索をかければ、事務所の独立騒動や駐車違反の罰金未払い問題などの過去の素行についてなど、憶測を含む記事やコメントが散乱している。中には完全に本人が悪いケースもあるようだが、藤井はこうした状況を変えたいと言い、その方法について番組の中で語った。
だが、「事務所の内情について」というテーマでは、「ぜひ触れていった方がいいのかな」と言いながらも、特に内情に触れることもなかった。代わりに、以前藤井が『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演した際発言した「完全な赤字」という言葉が独り歩きし、ネットニュースなどで取り上げられてしまったことを説明。藤井によると、直接的過ぎる物言いは騒ぎを起こす原因になるので、できるだけオブラートに包んだ表現を心がけましょう、ということだった。
事務所の内情について語ると言いながら、「たとえ赤字でも赤字と言うのは止めておきましょう」と主張する藤井。直接的で過激な言葉が、ネット上などで尾ひれがつき拡大してしまうことはよくある。しかし、藤井は“内情”と言いながら、単純な言い回しの問題を語った。それこそまさにキャッチーな言葉でネットユーザーを釣るという煽り行為そのものだろう。
また、藤井は、「前にお会いしましたよね?」という女性から男性に向けての挨拶が、男を勘違いさせてしまうワードなので気をつけようと主張する。藤井は、「そういう言い方は勘違いさせてしまうらしい」と、まるで自覚がないように言っていたが、彼女自身、無意識のうちにそうした言葉遣いをしていたのだろう。「私のように男心を勘違いさせて余計な騒ぎを起こしたくないなら“よろしくお願いします”と言いましょう」と言っていたが、それは“私は男心を勘違いさせてしまう女です”と言っているようなもの。藤井とすれば、単にそこまで深く考えていないだけのことかもしれないが、仮に今後彼女がバラエティへの露出を願い、そのための“魔性の女”や“天然モデル”というキャラ作りなら大したものである。
9月の事務所独立から一時本格的にバラエティ番組に進出した藤井だが、その後はなかなか思うような活躍ができていない。若手モデルの育成やプロデュース業に力を入れたいという本人の意向なのかもしれないが、この日の放送を見る限りバラエティには出たい様子。芸能事務所というのは、1人でも売れっ子がいれば大きく潤うものだ。自らオーナーとなった藤井とすれば、まず自分で稼いで、事務所を安定させたいと考えているのかもしれない。まだまだトークも拙く、どこか偉そうな態度はバラエティに不向きだが、そうした特性を活かした嫌味な女というヨゴレキャラでも確立すれば道は拓くかもしれない。そして、今回の番組では世間を騒がせない方法を述べていた藤井だが、バラエティなどのメディアに露出するならこれからもどんどん騒がせたほうがいいだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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