「デマに惑わされないで」アグネス・チャンがユニセフ協会への中傷に反論

1113agunesu_main.jpg※イメージ画像:アグネス・チャンオフィシャルブログ「アグネスちゃんこ鍋」より

 日本ユニセフ協会の大使を務める歌手のアグネス・チャン(58)が13日、ネット上で散見される同協会への中傷に対して「デマに惑わされないで」などと自身のブログで反論した。

 アグネスはブログの冒頭で、台風30号で大きな被害を受けたフィリピンで援助活動しているユニセフの代表からメールが転送されてきた明かしており、それによると400万人以上の子どもたちが被災したと見られ、救助活動は悪条件のなか必死に行われているという。現在、フィリピンへの支援募金を募る動きが活発化しており、同協会も緊急募金への協力を呼び掛けており、アグネスの書き込みも一般からの支援を促す意図があったようだ。

 この中でアグネスは「一番抵抗力が低い子供達にいち早く食べ物と医療品を届けたいですね。なのに日本ユニセフ協会について無責任なネットの書き込みがあるそうです。悲しいですね。。。」と綴っている。

 同協会は本家のユニセフ(国際連合児童基金)と正式な協力協定を結んだ公益財団法人だが、ユニセフ本部とは別団体であるにもかかわらず、ユニセフの名を使って募金を募っていることなどから一部で「うさん臭い」「寄付金をピンハネしているのでは」「用途が不透明」などといった批判が以前から起きている。

 続けてアグネスは「日本ユニセフ協会はユニセフの為に日本で募金出来る唯一の団体です。デマに惑わされないでくださいね。今一番大事なのは、子供達の為に私たちもできることを考える事です」と反論し、ネット上の批判の多くが「デマ」であると言い切った。

 ネットでは何かと批判されがちなアグネスだが、なぜそこまで嫌われているのだろうか。

「内戦状態だったソマリアに『遺書』を書いて乗りこむと豪語しながら、観光気分で紛争地域と外れたソマリランドを巡っただけといったトンチンカンな行動をすることが多々あり、その天然ぶりが嫌われる要素になっている。また、東京・広尾の豪華な自宅をたびたびテレビで公開しており、『恵まれない子どもたちのため』にといいながら、自分は豪勢な生活をしているのではと批判されることも多い。二次元ポルノに対するヒステリックな反応も、ネットユーザーの反感を買っています。慈善活動をしたいという気持ちは本物だと思いますが、行動がチグハグで世間の反応が計算できないタイプ。3年前に自身の通販サイトで、風水の効果で運気が上昇するというパワーストーンを販売し、霊感商法まがいだと批判されたのも象徴的な出来事です」(週刊誌記者)

 では「金満団体」とも揶揄されている日本ユニセフ協会はどうなのだろうか。ネット上では「ピンハネ疑惑」があり、集まった寄付金の4分の1を搾取しているともいわれているが…。

 近年、ネットの批判が強まったこともあり、同協会は詳細な収支報告を公表。昨年度は募金総額161億円のうち、約137億円をユニセフ本部に拠出(本部業務分担金約7億円を含む)しており、事業費は全体の約15%に当たる約25億円。他のボランティア団体と比べても「ピンハネ」というほど高過ぎる割合ではない。この25億の大半は募金活動の経費や啓蒙宣伝事業、管理費などに使われており、宣伝費や活動費が高過ぎるという批判はあるものの、募金をただ待っているわけではなく積極的に「集める」ことを目的とした団体だと考えれば不思議はないだろう。

 気になるのは募金を「搾取」しているといわれる職員たちの給与。ボランティアも人間がやっている以上、カスミを食べて生きていけるわけではないが、あまりに高過ぎれば問題だ。

「数十人いる職員の平均年収は700~800万円ほど。地方公務員とさほど変わりません。一流大学出身で語学も堪能な職員が多く、危険地域への海外出張などもあることを考えると、特別高いという印象はない。役員は2名の常勤をのぞき、無報酬のボランティアで名を連ねている。別に本職がある役員クラスは、報酬よりも社会奉仕しているというステータスがほしいようです。2名の常勤役員が飛びぬけて巨額の報酬を得ているとも考えづらく、問題視するほどではないでしょう」(業界関係者)

 カネに関してはネット上の誹謗中傷は確かに「デマ」と呼べるものが多いようだが、なぜ同協会は批判の的になっているのか。

「最近はネットの批判もあって収支報告をしっかりするようになりましたが、それまでは資金の流れが非常に不透明だった。その時期にウマい汁を吸っていたのではないかと勘繰られても仕方ない部分はある。また、東京・高輪の一等地に建設費用25億円で地上5階、地下1階の本部ビルを建ててひんしゅくを買うなど、アグネスと同じく世間の反応が計算できていない。言動のチグハグさも指摘されており、3年前に当時日本ユニセフ協会の大阪支部理事で児童ポルノ撲滅に力を入れていた寺田千代乃氏の夫が、16歳の女子高生への淫行容疑で逮捕された事件も大きなイメージダウンになりました」(前同)

 一部でデマが流布されているのは事実ながら、批判されても仕方ないような問題も抱えている日本ユニセフ協会。ネット上で同協会を批判していたサイトが訴えられたり、ソマリアの件で取材した週刊誌の記者を脅したりといった攻撃的な態度も目立っており、ネットやマスコミとの対立構造が批判を生んでいる部分もありそうだ。人々の善意で成り立っている団体であるだけに、社会の声に真摯に耳を傾けて丁寧な事情説明や問題点の改善をしていく謙虚な態度も必要に思えるが…。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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