10日深夜に放送された『リシリな夜』(TBS系)に芥川賞作家の西村賢太が出演した。同番組は、とんねるずの石橋貴明が屋台の店主に扮して客を招き、一杯やりながらその人物の話を聞くというスタイルのトーク番組。この日、ゲストとして呼ばれた西村も、普段飲んでいるという宝焼酎の水割りを片手に芥川賞作家のプライベートについて語った。
受賞後、一気に収入が激増したという西村。それまでは、「通帳に19万しかなかった」という「カツカツの暮らし」だったという。しかも、その19万円という金額もちょうど原稿料が入った直後で「多かったほう」で、そんな生活を続けていた西村は、さすがに「焦りがすごかった」と振り返っていた。
しかし、そんな生活も芥川賞を受賞することで一変する。石橋が、収入が増えたことで何に使ったかと尋ねると西村は、「3Pとか」と満面の笑顔で即答。これには石橋も笑うしかないようだった。さらに受賞会見での西村の「風俗でも行こうかな」という発言について石橋が切り込むと、その理由について「落選を見込んでいた」からと西村は答える。どうせ落ちると思っていた西村は、その後の「孤独を紛らわせるため」大塚に行く準備をしていたというのだ。
また、二度の逮捕歴を持つ西村は、その経緯についても語った。本人によれば、二度とも酒に酔った勢いによる暴行で、一度目は略式起訴の罰金刑10万円で、二度目は起訴され罰金刑20万円だったという。「酒に酔ってぜんぜん覚えてない」と言う西村は、「今度やったら間違いなく実刑ですね」と笑いながら話す。さすがにここまでメジャーになった西村が、勢い任せに暴行を働くとは思えないが、その笑顔はまるで“また酒に酔えばやっちゃうかもしれない”と言っているようでもあった。
石橋から今の女性関係を尋ねられると、「(特定の恋人は)今はいらない」と答える西村。その理由は単純で、とにかく「数をこなしたい」からだという。それゆえ風俗に通っているというのだ。だが、受賞後の現在では、女性からファンレターも増えたようで、手紙を送ってきてくれるファンとも交流を持つのだという。番組の中では、その交流がどういったものなのかは語られなかったが、送られてきた手紙を読んで、「まともそうだと思ったら」返事を書き、「これはイケると思った時点で携帯のメールアドレスを教える」という。そんな西村に対して石橋が「出会い系じゃないですか?」とツッコむと、「合法的な出会い系といっていいですかね」と悪びれることもなく答えた。西村にとって、ファンとの交流は、かなり深いものなのかもしれない。
「コレ(金)があるんで、いろんなことができる」「できないことはない」と大好きな風俗について語る西村。そんな西村がハマッているのが、風俗内での“ストーリープレイ”。西村は風俗に行くと、物語を設定してミニドラマ風に行為を楽しむという。その内容については「あんまり言っちゃうと…」と言葉を濁していた様子から、かなりハードなものなのかもしれない。まさに破顔といった笑顔で西村は風俗について語る。
今のタレントたちには真似できない過激な発言を連発する西村。今時珍しい無頼派の私小説作家といったところだろうか。そんな彼の小説も楽しみだが、これからもテレビでどんどん活躍してもらいたい。彼の過激な発言は、きっと多くのタレントたちに刺激となることだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)