次男が窃盗容疑で逮捕された責任をとって、TBS系の『みのもんたの朝ズバッ!』『みのもんたのサタデーずばッと』を降板した人気司会者・みのもんた(69)に対し、擁護論を展開する有名人のトンデモ発言が波紋を広げている。
降板発表を受けて、みのは26日に記者会見で謝罪。これまで「もう成人した別人格の息子の責任を親がとる必要があるのか」などと繰り返し主張していたみのだが、この会見では「不完全な形で世に送り出してしまったとしたら父親としての責任がある」と態度を一変。30秒近くも頭を下げるなど、殊勝な態度を見せた。
27日に放送された『サンデー・ジャポン』(TBS系)は会見の様子を取り上げ、VTR後にコメントを求められたテリー伊藤(63)が「テレビを見てる一視聴者として僕は、ちょっと残念だなという気持ちがある」と発言。「みのさんはコメントする時いつも、弱者の味方なんですよね。年金の問題、福祉の問題、福島の問題…彼はキャスターで一番福島に行ってるんじゃないかな」などと続け、さらに「またいつかどこかの場所でみの節が出ればいいなと思います」と報道番組への復帰を期待するかのようなコメントをしていた。
これに対し、視聴者からは疑問の声が続出。番組の論調が全体的にみのに同情的だったこともあり、ネット上では「どこが弱者の味方だよ」「セクハラ、パワハラの常習者が弱者の味方ですか」「テリー、ヘタレすぎだろ」「特定の大物に肩入れするような奴がニュース番組に出るな」などといった厳しい意見が飛び交った。
「報道番組降板といっても、まだ芸能界を引退するわけではないですし、みのさんはTBSの大株主でもありますから局と関係が完全に切れることはない。局上層部とのつながりもいまだに強いですから、他のタレントにとっては恩を売っておいて損はない存在です。バッシングの渦中で厳しい立場に追い込まれている今だからこそ、擁護すれば覚えがめでたくなると擦り寄ってくるタレントもいる。しかし、テリーさんのようにコメンテーターをしている人物が、立場を忘れて擁護に回るというのは明らかに問題です」(芸能関係者)
テリーだけでなく、意外なところからもみの擁護が飛び出した。民主党の菅直人元首相(67)が26日付の自身のブログで「みのもんた氏は汚染水問題など原発問題で東電と安倍総理を厳しく批判していた。この発言に対して原子力ムラがみのもんた氏失脚の陰謀を仕掛けたという説が流れている」と指摘。断言はしなかったものの、自身の首相辞任についても「原発ゼロにかじを切った私を総理辞任に追い込む原子力ムラの『陰謀』と言える」とし、自分とみのが原子力ムラの陰謀によって失脚させられた同士であるかのように綴っている。
「確かにみのは原発問題に関心が高く、降板騒動前に東電や安倍首相に対して批判的なコメントを繰り返していた。そういったタイミングや次男の逮捕に不明瞭な点があるため陰謀説が持ち上がったんでしょうが…。ですが、かつて原発推進を盛んにアピールしていた時期もある。筋金入りの脱原発論者ではなく、その時その時で視聴者ウケのいいコメントをしているだけなんです。良くも悪くも『テレビの人』なんですよ。それに降板の直接の理由は次男の逮捕ですが、直前にあったセクハラ騒動の方がスポンサーに嫌がられ、局内の『みの切り』の機運を高めた。あれは紛れもない映像が残っていますからね。そんないい加減な人物が国家的な陰謀でハメられるとは思えないんですが…」(週刊誌記者)
会見でセクハラ疑惑について問われたみのは「(女子アナが)トチった時に腰を叩いたつもり。セクハラの意識はない」と弁明したが、かなり苦しい言い訳に感じられた。こればかりは「原子力ムラの陰謀」と擁護することは難しそうだ。
成人した息子の責任を親が取る必要があるのか?という観点では様々な意見があり、みのに全く分がないわけではない。しかし、出てくる擁護が「みのさんは弱者の味方」「原子力ムラの陰謀」などといったトンチンカンなものばかりでは、全く助け舟にはならなさそうだ。一部では、みのが司会を務める『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)を制作している読売テレビが同番組の打ち切り・リニューアルを模索しているとウワサされており、引退の二文字もチラついてきた。世間のイメージ悪化、スポンサー離れ、的外れな擁護…と負の連鎖が続いているみの。“テレビの帝王”の最期が近付いているのかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)