俳優の堺雅人が主演するドラマ『半沢直樹』(TBS系)の最終回が22日に放送され、平均視聴率は42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と記録的な高視聴率をマークした。この数字はドラマのみならず、今年放送された全番組の中でトップ。6月4日放送の『サッカーW杯アジア地区最終予選 日本対オーストラリア戦』(テレビ朝日系)の38.6%を抜き、1位となっている。
関西でも同45.5%を記録した同ドラマ。瞬間最高視聴率も関東で46.7%、関西で50.4%と驚異的な数字をマークしている。25分拡大で放送された最終話は、半沢が香川照之演じる大和田常務への「100倍返し」をやってのけるが、北大路欣也演じる中野渡頭取から子会社の東京セントラル証券への出向を命じられるという展開に。驚きの表情を見せた半沢の怒ったような目元がアップになってラストを迎えた。
“鉄板コンテンツ”であるサッカー日本代表の試合に3.6%も差をつけて1位になったのもすごいが、初回(19.4%)から一度も数字が落ちずに右肩上がりで終了したというのも快挙。木村拓哉主演で最終回に41・3%をマークした『ビューティフルライフ』(TBS系)を抜いて、平成の民放連続ドラマでも1位という記録をつくった。名実ともに今夏の大ヒットドラマになったといえるだろう。放送直後にはTwitterに「速報 半沢視聴率54・4%」というツイートが投稿され、約4万5000件もリツイートされるという“ガセネタ”が流れたことも注目度の高さを物語っている。
「『やられたらやり返す。倍返しだ!』というセリフに集約されていますが、嫌味たっぷりな上司などに立ち向かう半沢の姿は痛快そのもの。日曜の21時からという休日の最後に半沢の奮闘ぶりを目に焼きつけ、一週間の活力にしていた視聴者も多かったのでは。近年の高視聴率ドラマといえば、2011年の『家政婦のミタ』(日本テレビ系)ですが、最終回の視聴率は40.0%。テレビ離れが叫ばれている今、この数字も驚異的と話題になりましたが、同作品は家庭内の問題を中心に、松嶋菜々子演じる特異なキャラクターが活躍するという内容でした。一方、『半沢直樹』は最終回の取締役会シーンをはじめ、サラリーマンがカタルシスを感じるにはうってつけの内容ですよね。裏返せば、『ブラック企業』『社畜』という言葉が流行るように、就労環境に不満を抱いている人が多いということなのかもしれませんが…」(芸能ライター)