インディーズを主戦場とするアイドルグループ「愛乙女★DOLL(ラブリードール)」 その魅力は“アイドルらしからぬ雑草魂”にアリ!!

doll_aidol0912main.jpg※イメージ画像:『DOLL COLLECTION I』愛乙女★DOLL/Arc Jewel

 CDが売れないと言われている昨今、固定ファンを多く持つ集客力があって堅実なセールスを見込めるのが女性アイドルだ。各レコード会社は争奪戦を展開し、今年だけでも数多くのアイドルがメジャーデビューを果たした。実際にオリコンなどのランキングチャートを見ても上位には多くのアイドルグループが名を連ねている。

 熾烈なセールス争いを繰り広げるアイドル業界において、今年になって頭角を現したのが6人組のアイドルグループ『愛乙女★DOLL(ラブリードール)』だ。彼女たちは2月5日にリリースした2ndシングル「ビターチョコ・バレンタイン」でオリコンのデイリーランキング3位を記録、6月18日リリースの3rdシングル「Paradise in the summer」ではデイリー1位に輝き、ウィークリーでも堂々の10位を獲得した。

 愛乙女★DOLLは開設3年目の新興レーベル「ArcJewel(アークジュエル)」に所属するインディーズアイドルであり、メジャーの力を借りなくても実力と努力とバイタリティーがあれば“売れる”ことを証明した。さらに8月13日にはファーストアルバム『DOLL COLLECTION Ⅰ』をリリース、8月18日には横浜BLITZでのワンマンライブ2公演を成功に導くなど勢いは加速するばかりだ。

 愛乙女★DOLLの結成は2010年10月。メンバーは1期生で初代リーダーの愛迫みゆ、2期生で現リーダーの岩崎夢生と芦崎麻耶、4期生として都築かな、ハルナ、佐野友里子が加入し現在の6人組になった。「いつでもあなたのお人形♪」をキャッチフレーズに掲げるだけあってメンバーのルックスは愛らしく、一見すると守ってあげたくなるような佇まいなのだが、ライブパフォーマンスはメンバー全員が汗だくになるほどエモーショナルで“全力感”に満ち溢れている。

 彼女らの魅力は一朝一夕で生まれたものではない。ワンマンライブに観客動員数のノルマが課せられ、達成できなければオリジナル楽曲が貰えないという試練や、12カ月連続新曲披露公演企画、正規メンバー昇格をかけたライブなど、さまざまなミッションがあるのだ。一方で、毎週火曜日に定期公演を行い、東京アイドルフェスを始めとした他流試合にも積極的に参加。どんなにアウェーな状況でも心ゆくまでライブを楽しむ姿を見せ付けることによってステージを愛乙女★DOLL色に染め上げ、他のアイドルファンも巻き込んで着実に動員数を増やしていった。

 4期生が正式加入したのは昨年12月のことで現体制になって1年足らずだが、各自の意識の高さと場数の多さによってチームワークは抜群。愛乙女★DOLLは経験値を積み重ねることによって成長を続ける叩き上げなのだ。そうしたアイドルらしからぬ雑草魂は同性からも支持を集め、ライブには女性ファンも少なくない。

 楽曲に目を移せば1stシングルの「GO!! MY WISH!!」は軽快なギターリフをバックに瑞々しいユニゾンが響き渡り、「ビターチョコ・バレンタイン」は哀切なメロディーを情感タップリに歌い上げ、「Paradise in the summer」は抜けの良い爽快なサマーチューンに仕上がっている。アルバム収録曲を聴いても曲調はバラエティに富んでいるが一貫して80年代を彷彿とさせるアイドル歌謡で、クリエイター主導の楽曲先行型ではないアイドル王道路線を突き進んでいる。

 事務所の後輩には、愛乙女★DOLL3期生で結成され先にメジャーデビューを果たした姉妹グループの『Doll☆Elements』、すでに単独公演も行っている『愛乙女★DOLL研究生』がいて、ArcJewelの層の厚さを示している。

 愛乙女★DOLL一派は新たなアイドルの潮流を生み出す可能性を秘めているのだ。
(文=猪口貴裕)

men's Pick Up