ついにゴリ押しも限界か―。
松坂桃李(24)が主演し、剛力彩芽(21)や綾野剛(31)ら人気若手俳優を起用した映画『ガッチャマン』(佐藤東弥監督)の興行収入が大苦戦している。往年の人気アニメを実写化した“鉄板”の企画だったはずだが、フタを開けてみれば公開2日間の合計興行収入は1億1,570万円。宣伝費含めて制作費は10億円近いとみられており、大コケといわれても仕方ない悲惨な状況になっている。この失敗は、ゴリ押しといわれながらも躍進を続けてきた剛力の今後にも暗い影を落としそうだ。
同作は8月24日に全国307スクリーンで封切られたが、ランキングは初登場6位と振るわず。公開2日目にして観客数人という閑古鳥状態の映画館もあったとも報告されている。映画専門誌のアンケート調査によると、観客層は40~50代が半数以上。制作側が若手人気キャストの起用で当て込んでいた20歳以下の若年層は、15%ほどにとどまる結果になった。原作が大胆に改変され、なぜか恋愛要素が加わったことで原作アニメのファンからは批判されており、中途半端に原作にぶら下がったために若年層を取り込むこともできなかった。
最終興行収入が10億円に届かない可能性が濃厚になっており、純粋な興行としては赤字確実のようだ。だが、一部メディアでは「2次利用で黒字になる」と指摘されており、DVD販売や地上波放送、さらにコラボCMやタイアップ商品といった興行以外の収入で黒字化が見込まれているという。だが、業界からはこんな声も上がっている。
「こういう作品は、公開直後のスタートダッシュが肝心。それが1億円ほどとなると今後もかなり厳しい。ネットでも酷評されていますから、口コミで客が増える可能性はゼロに等しいでしょう。ガッチャマンスーツの制作に2000万円を費やすなど大作映画なみの予算を使っていますから、2次利用の収入があっても上手くいってトントンがいいところでは…」(映画関係者)
最終的にどうなるかは別にしても、黒字になるか分からないという状態が続けばスポンサーの心中も穏やかではない。特に今作は「絶対に当たる」という前評判が高かっただけに、その落差は印象を余計に悪くさせるだろう。
この戦犯として早くも名前が上がっているのが、白鳥のジュンを演じた剛力だ。ネット上では「ゴリ押しの剛力が出てるというだけで見る気をなくす」「原作クラッシャーだからな」「剛力出演の作品は駄作しかない」などといった批判が噴出。これまでもネットを中心に剛力批判は高まっていたが、業界では「叩かれるのも人気の証拠」「嫌われるのは知名度があるということ」「彼女は現場ウケがいい」などと擁護の声が上がっていた。だが、今回は興行収入という「数字」でハッキリと世間の冷やかな反応が示されており、今までのようにはいかないようだ。
「事務所の戦略としては、ドラマや映画で格安のギャラを提示して剛力の露出を増やし、CMで稼ぐというパターンを続けていました。作品が当たるかどうかは問題ではなく『人気がある』『知名度がある』というイメージをつけることが重要だった。しかし、今回のようにハッキリと『数字を持ってない』ことが明らかになると、CMキャラクターとしては失格ですから、いくらゴリ押ししてもスポンサーを騙せなくなる。来年にも『黒執事』『L・DK』と主演級の映画が控えていますし、それもコケてしまえばスポンサー筋の反応が一変してしまうでしょうね」(芸能関係者)
剛力の生命線がCMであることは以前から指摘されていた。それに影を落とすほど『ガッチャマン』の大コケは深刻なものになりそうだ。制作陣は次回作にも意欲を見せているようだが、それどころではない黒歴史になりそうな気配である。かねてから批判されてきた剛力の「ゴリ押し路線」にトドメを刺すことになるかも…?
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)