この夫婦間の問題は親子の確執にもつながり、宇多田は両親と距離を置くようになっていった。
「2010年に宇多田が無期限休養を発表したのは、両親、特に照實氏から離れたかったからといわれています。親子感情の面でも仕事面でも両親に対する不信感が強まり、ここ数年はロクに連絡もとっていなかったようです。少女時代の宇多田は母親と一心同体のように過ごし、母親が大好きだった。だからこそ、母親を切り捨てて平然と自分のプロジェクトに乗っかってくる照實氏が許せなかったのでは。母が亡くなっても帰国しないのは、照實氏と顔を合わせたくないからではないかともいわれています。それも宇多田のブレイクがなければ生まれなかった確執でしょうから、娘が“カネのなる木”になってしまった家庭の悲劇なのかも…」(週刊誌記者)
ここ最近の藤さんは精神疾患だけでなく視力も弱まり、同居していた元マネジャーの男性だけが頼りの状態だったといわれている。元マネジャーは照實氏の指示で藤さんの世話をしていたといわれ、照實氏は離婚しても彼女のことを案じてはいたようだ。だが、それでも二人の間の亀裂は修復されることなく、宇多田との距離も離れる一方になってしまった。
藤さんには宇多田のブレイクによって手にした数十億円という資産があったようだが、それもたび重なる海外豪遊とカジノ三昧で底を尽きかけ、知人に「あと2000万円くらいしかない」と漏らしていたと一部メディアで伝えられている。
家庭崩壊、浪費癖、精神の病…それら不幸が重なり藤さんは追い詰められてしまったのだろうか。宇多田は「母の娘であることを誇りに思います。彼女に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです」とも綴っているが、この言葉は天国にいる藤さんが何よりも聞きたかった言葉なのかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)
※一部原稿を修正しました(2013.0827)