AKB48の総合プロデューサー・秋元康氏(55)が、ゲスト出演したラジオ番組で「60歳で引退する」と発言した。かつてはAKBの売り出しにのめり込んでいた秋元氏だが、最近は急激にトーンダウン。近いうちにAKBのプロデュースから“卒業”するのではないかと、業界関係者やファンの間で憶測が広がっている。
今月16日、秋元氏はTOKYO FM系で放送されている『ジャパモン ~JPN47~』に出演。先日の選抜総選挙で1位になったHKT48の指原莉乃(20)に触れて「いろんな人にチャンスがあるのはいいこと」「しかし、指原が1位になってどういう曲作るか悩んでいる」などと発言。また、SKE48とNMB48のライバル関係が強まって困惑していることなども明かし、AKBグループの立役者として知られざる苦労を語った。
その中で「そろそろ作詞は他の人に任せたい」とAKBの作詞から身を引きたいという意向を示し、さらに「僕は60歳で引退すると思う」と5年後の業界引退を示唆した。
秋元氏といえば、AKBのデビューから約7年半にわたり、グループの全権を掌握していた。「タルんだメンバーを強制脱退させる」と息巻いたこともあったが、最近は指原のHKT48劇場支配人抜擢などの人事について聞かれても「人事異動は全て現場スタッフに任せている」と発言。また、センターだった前田敦子(21)の卒業に際しても発表のタイミングから何から深くかかわっていたが、近頃の相次ぐメンバー卒業に関して「いつまでAKBにいていいとか、いちゃダメだとか何もない」と冷めた反応だ。
AKBは「恋愛禁止」という鉄の掟があることで知られるが、それについても秋元氏は「一つのネタとして言っているが、決して恋愛禁止ではない。僕は(恋愛禁止とは)一度も言ってないんですよ」と発言している。あれほど強気だった秋元氏が、なぜブレブレな態度になり、さらには“引退”を口にするほどになってしまったのか。
「秋元氏がAKBのプロデューサーを辞めたがっているというウワサは、以前から業界で流れていました。業界随一の巨大なビジネスになったAKBは、すでに秋元氏の手を離れており、彼はお飾りでしかなくなっている。にもかかわらず、世間ではいまだにAKBが何か騒動を起こせば『秋元が糸を引いている』といわれ、イメージだけが悪くなっていく。その状況に嫌気が差したようです。AKBの作詞だけでも相当な印税収入になりますが、秋元氏は一部メディアで『年収50億円以上』ともささやかれたほどの富豪ですから、それほどカネに執着がない。世間的なイメージや自身のプライドの問題でAKBから離れたがっているようです」(芸能関係者)
天才プロデューサーと呼ばれて世間を動かしてきた秋元氏にすれば、単なるお飾りとして神輿に担がれているだけの状況はガマンできないということなのだろうか。それだけでなく、AKBにかかわっていることで生じるデメリットもあるようだ。
「先日の選抜総選挙の生中継が高視聴率を記録するなど、AKBはいまだに人気をキープしている。しかし、一部週刊誌でAKB関係者の“黒い交際”が報じられ、AKB元メンバーの河西智美と運営会社AKSの窪田康志社長のお泊り愛が伝えられるなど、最近は運営サイドのイメージがガタ落ち。このまま秋元氏にまで黒いイメージがつけば、AKB以外の仕事で差しさわりが出てしまう可能性がある。これ以上イメージが悪化する前に、AKBから抜け出したいというのがホンネなのでは。一連の発言は、AKBが泥船になる前に脱出するための下準備でしょう」(週刊誌記者)
AKBが人気をキープしているといっても、もう頂点から下り坂に向かっているのは確実といえるだろう。篠田麻里子(27)、板野友美(21)、秋元才加(24)といった人気メンバーの卒業が続々と決定しているのも、その兆候といえそうだ。船頭まで逃げ出そうとしている泥船から、次は誰が脱出することになるのだろうか。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)