昨年8月にグループを卒業した前田敦子が、7月31日に札幌ドームで行われるAKB48の公演で“一夜限りの復帰”を果たすことが、千葉・幕張メッセで行われた握手会イベントで発表され、ネット上で話題となっている。
既にAKB48を卒業したはずの前田のコンサート出演に対し、ネットユーザーからは「卒業の意味知ってんの?」「卒業して間もなさすぎて、ありがたみがない、ケジメがない」など不動の人気を誇っていた前田の早すぎる復帰に批判が殺到している。
前田のグループ在籍中の出演作は低評価の作品が多く、一部では「大コケ女優」「低視聴率女王」とまで揶揄され、AKB卒業後の芸能活動を危惧する向きもあった。しかし、2012年に公開された『苦役列車』では「第22回日本映画プロフェッショナル大賞」において主演女優賞を受賞。現在公開中の映画『クロユリ団地』は累計興収がすでに7億6,800万円を超え、10億円到達が確実視される健闘ぶりを見せている。同映画に対する業界の評判も上々で、特に鬼気迫るものがありアイドル時代の影を見せない前田の演技は高評価を得ている。
また、15日に都内で行われた『第22回日本映画プロフェッショナル大賞』授賞式において前田は「 (映画が好き)そういう部分では、まだ卵なわたしですが、これからも胸を張って『映画が好き』と言っていける、そんな人でありたいなと改めて思いました」とコメント。前田の映画好きは映画関係者の間でも話題になっており、1日8時間も映画館に入り浸る姿を目撃され、常にポータブルDVDプレイヤーを持ち歩いているなど、映画好きのエピソードには事欠かない。女優道を邁進しているはずの前田にとってはプラスに働かないであろう“電撃復帰”に業界内からは違和感を唱える声もあがっている。
「先日、『有田とマツコと男と女』などを手がけるTVディレクター・北川孝氏がTwitterで、番組企画で小学生親子をオーディションした時のことについて『一番驚いたのは全員AKBに全く興味なし。テレビの中だけ盛り上がってるらしい』とツイートし、ちょっとした騒ぎになりました。現在、問題の発言は削除されていますが、北川氏が指摘したように、“一般のAKBへの関心はメディア側が思っているほど高くはないのでは?”という声は以前から上がっていました。また6月8日に開票されたAKB選抜総選挙でのHKT48所属・指原莉乃の1位獲得に対し、有識者と目されていた小林よしのり氏が苦言を呈したのも記憶に新しいです。今回の前田の復帰は、世間の関心が徐々に離れていっていると感じ始めた運営側の焦りでもあるのではないでしょうか」(芸能ライター)
今回の前田の“一夜限りの復帰”は、あくまで9月発売予定の自身の3rdシングルを披露するための場であり、AKB側からすれば、同グループがもっとも得意とする“サプライズ”の定期的投入のひとつにしか過ぎないだろう。しかし、AKBの絶対的なエースとして君臨し、国民的アイドルグループと呼ばれるまで押し上げた功労者・前田の復帰という、“卒業ネタ”を除く最強の切り札を出すのは、ファンの反応を見る限り早すぎたのかもしれない。もちろん、そういったファンの反発すら起爆剤としてきたのがAKBの強みのひとつなのだが…。