4月1日付で退職した元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏(37)が、2日に期間限定ブログ『長谷川豊のAmerican Journey最終章~僕に起きたことのすべて~』を開設し、退職の原因となったニューヨーク支局勤務中の“経費使い込み”について「やっていない」などと言及して話題になっている。
99年にフジに入社した長谷川氏は、競馬番組の実況や『情報プレゼンター とくダネ!』のサブアシスタントなどを経験し、2010年にニューヨーク支局に異動。ニュース番組で現地リポートなどを伝えてきたが、滞在経費の不正使用があったとして12年6月に降格処分となり、本社人事局付となった後は編成制作局編成情報センター著作権契約部に配属されていた。今月1日付で「一身上の都合」という名目でフジを退職した長谷川氏だが、その原因が“経費横領疑惑”であることは誰の目にも明らかだった。
だが、不正使用の具体的な内容や金額が明らかにされず、フジ側が刑事告訴もしなかったため、週刊誌やネット上では情報が錯綜。長谷川氏は、この事態を受けてブログ開設を決意したらしく「あの時何が起きたのか? 僕が一体何をしたのか? 全てを明らかにするため、表現者としての最後の責任を取るためにもう一度、パソコンに向かい、僕はブログ(←無料)をスタートするにいたった」と記している。
一部週刊誌は、経費不正使用に関する関係者コメントとして「ペットを飼うためと偽って住居費を高く申請したが、実際にはペットはいなかった」と報道していた。これに対して、長谷川氏は「勝手に僕が横領してた話になっており、その理由がこうだとのこと。どこの関係者さんか知らないが、何となくそれっぽい話、するのやめなさい。ペット、飼っとったわい!!」と否定し、愛犬の写真をアップしている。
4月2日付の日刊ゲンダイでは「(フジから)仮払い金として受け取った200万円を滞在先のマンションの敷金に使ったのが騒動の発端」と報じられ、長谷川氏本人のコメントとして「残念ですが本日まではフジ社員なので詳細を話すことはできません。ただ、当時の私は年収2400万円、手取りで毎月100万円以上頂いていた。それで200万円の不正に手を染めたと言われるのは心外です。」と掲載された。これについても、長谷川氏は「言ってないし(ガーン)!! しかも、年収の金額、初耳だし!!!」と反論。他の関係者にも取材した記事であることは認めたうえで、実際には年収に関するコメントはしておらず、収入は手取り金額しか認識していないため自分でも正確な年収は分からないと記している。
長谷川氏の矛先は古巣にも向けられており、「ちなみに、今、フジテレビ内では、『年収とか言ってて痛いよな』『あいつ、マジで終わった』と、各所で言われているそうです。ちゃんと耳に入ってます」と告白。古巣の元仲間たちから言いたい放題で批判されていることを認識した上で「いいのです。言わせておいてください。何言っても無駄だから。そういう人たち、ただ単に人を馬鹿にしたいだけ。その対象に、僕はなりやすいだけです」と強気な面を見せている。
また、ニューヨーク支局勤務中に書いていたブログ『熱血!長谷川豊のAMERICAN JURNEY』が好評で「長谷川アナのブログがもう見られないのは悲しい」という問い合わせもあったため、長谷川氏は自身のサイトに当時のブログを復活掲載。法的に問題はないと強調し、「フジテレビが嫌がらせにくだらないこと言ってきたら、すぐにそれも公表しますね♪」と古巣を牽制している。
長谷川氏は、騒動の発端となったニューヨーク転勤の内幕も説明。上司から強引にニューヨーク転勤を命じられ困っていた後輩アナの代わりに、自分が転勤を志願したと明かしている。この転勤に関しては、生番組で問題発言を連発した長谷川氏が“左遷”されたのだと一部メディアでささやかれていた。
09年のCS生番組で自局の女子アナについてコメントした長谷川氏が、秋元優里アナを「おっぱい番長」、平井理央アナ(現在はフリー)を「こいつ、顔写真いらないから脚だけ映しときゃいいんだよ」などと評し、滝川クリステル(現在はフリー)に至っては「外人」呼ばわりしたのだ。滝川に対するコメントは差別発言として問題となり、CS放送番組運営局が謝罪する事態にまで発展。この責任をとって海外行きを命じられたとみられていたのだが、今回のブログによって否定されることになった。
長谷川氏は転勤の際のドタバタも暴露。後輩から話を聞いてニューヨーク行きを考えたのは2010年7月だったそうだが、先任の佐野瑞樹アナ(41)の帰国が後任を決めないまま同年10月に決定しており、長谷川氏は3カ月で渡米準備をしなければならなくなったそうだ。社員を振り回すフジのいい加減な体質が明らかになったといえるが、退職したとはいえ、こんな内幕を元アナが暴露してしまうのは前代未聞といえる。
もし彼が本当に経費の不正使用をしていないのであれば、法廷に場を移して不当解雇や名誉毀損で正々堂々と闘うべきではないかと思うが、長谷川氏はあくまでブログで真実を明らかにする構えのようだ。これから更なる爆弾発言が飛び出すであろう長谷川氏の“恨み節ブログ”にフジの関係者は戦々恐々だろう。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)