10代から芸能活動を始めた役者や歌手、下積み時代を経ている芸人などと違い、20代後半~30代でテレビに出始め、マルチな活躍を見せるタレントというのはそれまで一体何をして生活しているのか、経歴が謎であることが多い。イタリアンレストランのイケメンシェフとして『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)を機にブレイクタレントになった川越達也シェフもその一人だ。
『料理の鉄人』ブームの頃ならいざ知らず、ごく普通に調理師専門学校を出てコツコツ働いてきた“巨匠”でもない若き一般シェフが、いきなりマルチタレント化したことで「有名になる前は何してたの?」「何でテレビ出てるの?」と疑問に思う視聴者も多かっただろう。
それに応じるかのように川越シェフは、実は離婚歴がありバツ2だということを告白したり、父親の家庭内暴力に怯え母親にも「さっさと死んじゃえばいいのに」と嫌悪感を抱いているような子どもだったことを明かしたり、実弟が交通事故死していたとカミングアウトしたり…プライベートをバラエティでボロボロ喋ってきた。しかし肝心の「何でタレント化したの?」という経緯は未だ謎である。有力なパトロンがいるとの説もあるうえ、肝心のレストランの味はイマイチだとの評判もある。また、レストランメニューが「人参の床にリラックスしたフォアグラ」「ゆっくり歩いてきた仔牛」など珍妙なものばかり(※実際の料理はごく普通のイタリアン)だというのもネットで話題になった。
そんな川越シェフが、4日放送の番組『芸能界1万人のイメージVS身内の真実 第3弾 スターマル秘素顔大暴露』(日本テレビ系)でまたも私生活を公開。正確には、“身内”と呼べる友人の料理研究家・青山有紀や経営するレストランの料理長などが暴露した。大勢のゲストたちを捌くメインMCは千原ジュニアと友近、そしてスペシャルMCとして美輪明宏が出演し、ゲストタレントに持つイメージを全国1万人に調査、そのイメージと実態をゲストの身内が明かすという内容だ。
川越シェフに対する「1万人のイメージ」ベスト5は、1位ナルシスト、2位裏表ありそう、3位オネエっぽい、4位イケメンシェフ、5位女にモテそう…というものだった。これに対して料理長が「調理場に川越ミラーが設置してあり、お客様に料理をお持ちする前に鏡を見て髪をいじる」「カラオケでは必ずラルク・アン・シエルの『flower』を熱唱」と明かし、ナルシストっぷりを証言。スタジオでも同曲を歌った川越シェフ、歌は上手かった。一方で厨房では川越スマイルを封印し、従業員にも厳しく接して食品衛生管理を徹底していると言い、「裏表があるとも言える」とのこと。青山有紀は初対面の挨拶でナンパされた話を披露し、「『おうわさ通りお美しい』と言われまして、帰り際電話番号を渡してきました」とチャラ男ぶりがうかがえた。
さらにスタジオ・視聴者ともに驚いたのが、親友として登場した一般男性が「昔ホストをやってたんですよね」とこぼした場面だ。シェフは「それ本当に言っちゃいけないやつ!」と慌てて見せたが、決してバラしてはいけない情報ならそもそもその親友をスタジオに招くはずもなく、確信犯なのは間違いない。これも“イケメンシェフ”のキャラ作りのネタか? とうがった見方をしてしまう。シェフいわく、「源氏名はタツ。大阪にいるときに深夜のアルバイトを探していて…それで…お酌したり」「料理修行中は給料も少なく、フランスに留学するためにお金が必要で」とのことだが、結局フランス留学はしておらず、阪神・淡路大震災での被災をきっかけに上京、喫茶店や飲食店でアルバイトをし飲食事業について学んでいたようだ。
どこまでがネタなのか定かではないが、波乱含みの人生を送っているからこそバラエティからも頻繁に声がかかる。俳優だったら私生活をウリにはできないが「シェフタレント」なら万事OKだ。これからも「女には軽いが料理にゃアツいイケメンシェフ」というキャラクターで芸能界の荒波をサヴァイブしていってほしいものである。
(文=ヒポポ照子)