「やざパイ ティーンFINAL」』晋遊舎
アイドルも二十歳を過ぎれば飲酒は合法。しかし清廉なイメージを維持するためか、あえて積極的に飲酒について語る者は少ない。
AKB48を始めとする48グループでは、これまで何度となく飲酒絡みの醜聞が報じられている。中でも大島優子は六本木界隈などでの目撃談が多数。あの前田敦子の“泥酔尻出し号泣事件”の際にも現場に同席、合コンであったこともあり、後にライブ会場で涙の謝罪をしている。同グループでは、飲酒や合コンで解雇に至るメンバーがいる一方で、大島優子のようにほぼ“おとがめなし”の者もいる。また、実質は飲酒などが疑われての解雇なのに、表向きは他の理由による辞退とされるなどグレーに終わることも多く、ドロドロした印象が付いて回る。
そんな中、3月25日深夜に放送された『有吉AKB共和国』(TBS系)で酔っ払い武勇伝を披露したのは、元AKB48で現在はHKT48に所属する指原莉乃だ。
「『笑っていいとも!』で、スッゴイ大っきい忘年会があったんですけど、私、AKB48のメンバー以外の芸能人の方々とお酒を飲むのが初めてだったんですよ。それが楽し過ぎて、ガンガン行っちゃって…。ワインは悪酔いするって知らなくてガンガン飲んじゃって、号泣してジュニアさん(千原兄弟)とか香取さん(SMAP)に『お金を下さい』っていったらしいんです(笑)」
指原に酔ってからの記憶はほとんどなく、自宅のベッドの上で目覚めると、脱ぎ捨てた衣服が玄関からベッドまでの動線に沿って散乱し、それに混じり、ひとり1個ずつしか配られなかったはずの記念品のマグカップが7個もあったという。
かなり豪快な泥酔ぶりがうかがえるエピソードだが、同じ忘年会には指原を上回る大虎(※泥酔して暴れる者)としてローラがおり、「挨拶中の人物のマイクを奪って暴言を吐き、しまいにはゲロまで吐いた」と各メディアで取り上げられた。
そのほかにも酒好きアイドルとして、モーニング娘。OGも人材豊富だ。11人いる現メンバーは未成年がほとんどで、飲酒できるのは道重さゆみ(23)と田中れいな(23)のふたりだけ。しかも両名ともさほど酒好きという気配は感じられず、現役モー娘。で飲酒にまつわる面白バナシはない。だが、いわゆる【ドリームモーニング娘。】のメンバーとしても活躍したOGの周辺は、かなり酒の香りが濃厚だ。
「保田圭ちゃんによると、モー娘。だった頃は大っぴらに飲みに出ることができずに、コンサートの後も打ち上げなどはなくおとなしくホテルの部屋などにに引きこもることが多かったそうですが、ドリームモーニング娘。が起動して以来(※現在は活動休止中)月に1回ぐらいはOGメンバーで飲みに行っているとか。その中で吉澤ひとみの酔いっぷりは、卒業後の男勝りの体育会系女子というキャラにピッタリの豪快さだそうです」と語るのは、モーヲタが高じてアイドルライターになったというA氏。さらに、
「現モー娘。リーダー道重さゆみによると、吉澤の飲み方は『危険!』。さらに『楽しいのは吉澤さんだけ』だそうです(笑)。飲むうちに首がカクンとうな垂れる瞬間があるそうで、それを超えると、喋りがべらんめえ調になり、何もないのに笑い始め、傍目には限界状態に見えるのに『この後どうすんの? もう一軒行こう!』と執拗に周囲を誘ったりするんだとか。ある時は、なんと大御所の明石家さんまに同様のノリでからんでしまったんです。結果として後にさんまは、当時、まもなく成人する時期で『お酒も飲んでみたい』という吉川友に、『吉澤とは飲みに行くなよ!』と、釘を指していたほどです」
モー娘。加入時は無敵の美少女だったヨッスィ~こと吉澤ひとみも、すっかり酒豪のお姉さんとなっているようだ。
“泥酔して大御所にからんだ”ということでは、これに勝るとも劣らないエピソードを持っているのは、元アイドリング!!!の爆乳娘・谷澤恵里香。「一般紙にも取り上げられるほどのセンセーションでしたね」と話してくれたのは、アイドル系イベントなどを多く取材する某誌記者のK氏。
「その日は谷澤恵里香のDVD『やざパイ・ティーンFINAL』(晋遊舎)発売イベントでした。成人式直前だったということで、お決まりの『成人を迎える今年の目標は?』という質問になったわけですが、彼女から返ってきた答えはタダならぬ内容でした。『去年はいろいろとやらかしてしまいまして…』と、話し始めたのは、お笑い界の大御所・志村けんに酔って絡んだという内容でした。
年末に行なわれた『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)の打ち上げでのことです。17歳の頃から同番組に出演していた彼女は、打ち上げがある時はいつも志村けんから年齢を尋ねられ、未成年で飲めないため不参加だったそうです。でもいよいよ二十歳になり、初めて打ち上げの飲み会に参加し、『めちゃくちゃに酔ってしまって志村さんにムダからみしちゃったみたいなんです。後で謝罪したところ“お前が男だったらぶん殴ってた”といわれてしまいました』とのこと。この時は所属事務所から禁酒を言い渡されていた彼女ですが、『もうすぐ禁酒期間が終わるので、浴びるように飲みたいと思います!』と宣言していました」
谷澤のこの武勇伝が発生したのが、2010年末のこと。それから約2年後の2012年末には『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)でも、その酒豪ぶりを隠し撮り&公開されてしまっている。記憶がなくなるまで飲んだ翌日は、謝罪の電話やメールに忙殺されてしまうんだとか。酒での失敗談を持つ貴兄には親近感が湧くエピソードだろう。
くだんの指原莉乃は、「私はポジション的に『いいとも!』とかで言われちゃう(酒での騒動を暴露される)ので知られちゃうだけであって、他のメンバーもそういう経験、あるわけじゃないですか。絶対あるわけじゃないですか…」と、訴えていた。確かにお酒の席でのミスは誰にでも起こり得るし、それはアイドルも例外ではない。しかし、仲間内ではなく仕事関係で飲む機会があれば、そこには大御所芸人またはスポンサー企業のお偉いさんが同席したりもする。彼らは年齢を重ねている分、酒での間違いは自他ともに一通り経験済みの先輩たちであり、アイドルたちの少々の泥酔には寛大だろうが、アイドルは酒の席も仕事の延長くらいに考え、のちのち仕事に影響するような事態だけは避けたいものである。もちろん、逆に、谷澤恵里香が『ロンハー』でイジられたように新たなキャラ創出にもつながったりするが…。
(文=ルート666)