この秋公開予定の映画『劇場版SPEC~結~ 漸ノ篇』と『劇場版SPEC~結~ 爻ノ篇』にゲスト出演することが発表された大島優子。この発表を見て、安心した大島ファンは意外に多かったのではないだろうか。というのも、昨年大島が「チームK」のキャプテンになったことで、彼女が個人の女優の仕事をセーブしてAKB48での活動を中心にしていると見られていたからだ。また、ブログなどでは多少スケジュールに余裕ができたことが確認でき、ここ数日、AKBファンが集うネット掲示板上では「オフばっかり」「仕事がない」などと嘆かれたり、揶揄されていたりもした。
元ライバル・前田敦子が4月クールのドラマに出演するなどいよいよ女優として本格始動したこともあり、やきもきする大島ファンも多かったようだが、彼女は彼女で女優仕事をきっちりゲットしていたことになる。
とはいえ、仕事が充実したらしたで、今度は大島のメンタルや体調を心配する声も多い。キャプテンを務めるチームKからは、増田有華、板野友美、そして先日仲谷明香といったベテラン、中堅が活動辞退・卒業をし(※板野は卒業時期未定)、SKE48と兼任ながらエース候補の松井珠里奈もなかなか公演には顔を出せない。さらにこれまで大島と一緒にKを支えてきたツインタワーも、秋元才加が先月まで『ロックオペラ モーツァルト』出演で劇場公演に参加できず、宮澤佐江はSNH48移籍でチームを離れてしまっていることから、後輩育成などの精神的な負担をすべて抱え込んでいるのではないかと心配されているのだ。
一方では、AKBの世代交代が進み若手が推されつつあることで、彼女の卒業を急かすような心ない中傷も再び増えつつある。年齢的にも今年25歳になる彼女は年長組で、10代の頃から「卒業時期を考えている」と明かす場面もあったが、今もAKBに在籍し先頭に立ってグループを牽引している。
「前田が辞退した第4回総選挙の際には『不出馬も考えた』『ラストチャンス』と発言しており、世代交代の波に乗っての卒業も考えていたようだが、結果として2位の渡辺麻友との間に36,000票以上もの大差をつけての1位だったことで、卒業への迷いはなくなったかのような態度を示している。選挙後に『卒業の意志はない』と公言し、キャプテンにも抜擢されたことでますます辞められなくなってしまった」(芸能記者)
そんな彼女にとってターニングポイントになるのは、今年もやはり選抜総選挙だろう。
「世代交代を今年中に完成させたい運営的には、渡辺など“新世代”に区分されるメンバーを1位にしたいという思惑が見え見え。しかし前回ついた36,000票の差を埋められるほど、大島のファンは離れていないし、渡辺のファンが増えたわけでもない。おまけに、新世代メンバーの間でも、渡辺、松井珠理奈、島崎遥香らで票割れが懸念され、HKT48やNMB48といった姉妹グループの勢いもあることから、ネット上では『もし今年も大島が出場するなら、順位を覆すのは意図的な票操作でもしないと難しいのでは』という声すらある。プロデューサーの秋元康氏は、『次の大島優子が育ったら卒業していい』と言うものの、これがなかなか高いハードルになってしまっているのです」(前同)
であれば、むしろ今年の総選挙でも1位獲得の連覇を達成し、自らの意志で「卒業します」と宣言するのが美しい流れだろう。しかし「キレイに卒業できたとしても、大島が目指す本格女優への道は険しい」(業界関係者)という気になる声もある。先日、マイナビウーマンが発表した「グループから卒業したアイドルで成功している人」というランキングがあるが、これを見るにつけても、国民的アイドルグループ・AKBの頂点に君臨した大島が「成功している人」になれるかどうかは微妙だ…というのである。
「件のランキング調査で、女優として活躍している2位の篠原涼子(元・東京パフォーマンスドール)、3位の菅野美穂(元・桜っ子クラブさくら組)、5位の中谷美紀(元・桜っ子クラブさくら組)らは、アイドル時代にはパッとせず、卒業・解散後に花開いたパターン。アイドルグループの『顔』としてイメージがついていた女性は、せいぜいがribbonのセンターだった永作博美(6位)、そしておニャン子クラブの国生さゆり(8位)と渡辺満里奈(9位)くらいですが、国生は女優というよりタレントですしね。“元○○”の肩書きは、元・モーニング娘。の矢口真里(4位)・辻希美(10位)など、バラエティ要員には武器になるが、女優にとっては足かせになる可能性が高く、アイドル時代の濃い色がついていない方が女優としての成功率が上がる…と分析できます」(業界関係者)
仮にアイドルグループのメンバーとして一世を風靡したとしても、グループ本体の凋落とともに元メンバーも「古臭い」「ダサい」と見られてしまう傾向があるという。確かに元モーニング娘。の安倍なつみや石川梨華は、舞台女優としての活動はあるものの、連ドラや映画など「第一線」で活躍する同世代女優と比較すれば格落ち感は否めない。前田敦子卒業以来、すっかりAKBの「顔」として定着してしまった大島がこの逆境を跳ね返すには、多大な努力が必要になってくるだろう。
(文=潜水亭沈没)