映画・原作公式ガイドブック』祥伝社
3月8日に授賞式が行われ、10日にその模様が日本テレビ系列でも放送された「第36回日本アカデミー賞」。何といっても注目されたのは、『ヘルタースケルター』で優秀主演女優賞を受賞し、久々にマスコミの前に姿を現した沢尻エリカ(26)だ。豊満な肉体に華奢な淡色ワンピースをまとい、輝く金髪をタイトにまとめ、漆黒のアイラインにつけ睫毛、力強い印象を与える濃い眉毛といったヘアメイク。とかく「清純派女優」がもてはやされがちな日本で、ハリウッドセレブ風の出で立ちの沢尻は異色の存在である。この日の容貌も、「金髪は汚い」「ケバいだけ」「劣化」などと瞬く間にネット上で話題にされた。一方で、「清純派女優にはない華がある」「私は女優よ、って感じでカッコイイ」「顔ちいせぇぇぇぇ」という声も。確かに、司会の井上真央、関根勤らと並ぶ沢尻の顔は非常に小さく、まるでお人形のような造形だった。
公の場でも機嫌の悪さを隠さない爆弾娘として一躍悪評が広まった沢尻だが、この日は終始ゴキゲンで、受賞作の撮影について「シーン自体重くて体力も使うような濃い日々でした」と笑顔で振りかえった。そんな沢尻の共演者で助演女優賞を受賞した寺島しのぶ(40)は、「(沢尻に殴られたり蹴られたりするシーンでは)だんだん、撮影後半ぐらいから癖になってきました」「役なのか本当なのか分からない沢尻さんについていくのが大変でした」とスピーチして笑いを誘った。沢尻の役柄は、「ものすごくワガママで性格の悪い全身整形モデル」なのだが…。また、沢尻が現場に持ち込んでいた“コスモ”という私物のぬいぐるみに触れ、寺島は「(現場では)コスモの世話をしていました」とも。このように寺島がチクチク皮肉を込めるも、この日の沢尻は最後まで悠然としていた。
「映画賞の授与式という晴れ舞台で、かつてのようにムッツリ仏頂面やひどいコメントを出さなかったのは大きな進歩。そもそも彼女のようなタイプの女優は、フツーの素顔やプライベートを見せずにスクリーンの中だけを見てもらう方が断然人気が出る。撮影中はものすごくワガママで、二日酔いで撮影に遅刻して寺島を激怒させたエピソードもあったが、それはあくまで撮影という裏舞台でのこと。表舞台で牽制してきた寺島をかわした沢尻の方が一枚上手です。テレビ放送を見た視聴者からも“エリカ様いじめ”に同情する声も上がっていて沢尻としては、してやったりでしょう」(芸能記者)
この日、沢尻は式典の後も上機嫌のまま、男性スタッフ2名と都内のバーで祝杯をあげたという。実母のリラさんも合流し、4人は夜明けまでシャンパンボトルを7本もあける飲みっぷりだったと「女性セブン」(小学館)が伝えている。沢尻は『ヘルタースケルター』出演について「自分が変わるきっかけになったし、自信もついた」と話し、授賞式でチクリとやられた寺島など他の出演者に関する話題は一切出さずに「私は15年後にはトップに立つよ」とカッコよく宣言していたという。実に前向きで「我が道を行く」エリカ様らしい言葉だ。しかし、15年後といえば彼女は40代。長い年月をかけて着実に一歩ずつ、トップ女優への階段を上っていくというヴィジョンが彼女の中にあるのだろうか?
「映画、舞台、ドラマ…沢尻さんは、何をやるにしても役柄そのものになりきる憑依体質の女優さんなので、たとえば武井咲や剛力彩芽といった売り出し中の若手女優のように一年に何本もの作品に次々出演するのは体がもたない。焦らずゆっくり、自分のペースでやっていけばいい、と考えるようになったようです。それに当分、彼女には“オファーが殺到する”ことはない。昨年報じられた大麻常用疑惑が尾を引いて、スポンサーに敬遠されているし、現場でのワガママぶりも広まっているので、タイトなスケジュールで制作しなければならない作品なんかには起用できない。ただ演技力と存在感は抜群なので、これからも女優仕事がまったくなくなるということはないでしょう」(業界関係者)
また、高城剛氏との離婚問題もまだ解決したとの報は聞こえてこない。
「高城さんは今も海外を転々とする生活を送っていますが、2月にいったん帰国し、園山真希絵の飲食店を訪れたり親しい仲間に会ったりしています。沢尻とも面会したかもしれませんが、何か進展があったという話は今のところ聞いていませんね。いずれにしろ、スキャンダル女優のイメージが強くなりすぎて、彼女に振れる仕事の幅が非常に狭くなっていることは間違いない。よく言えばアクの強い女優ってことなんでしょうけど」(前同)
1月には「あまりに仕事がなく事実上の休業状態」のため、母親と飲食店経営を目論み奔走していると週刊誌に書かれたこともあった。15年後、41歳になった沢尻は、今の松嶋菜々子(39)や天海祐希(45)のような「トップ女優」の地位にたどりついているのか、はたまた全く別の道を歩んでいるのか…。本人にも先のことは見えない状況だろう。