4月1日から、フジテレビ系朝の情報番組『めざにゅ~』のメーンキャスターに就任するフリーアナウンサーの神田愛花。2008年『FNS27時間テレビ!! みんな笑顔のひょうきん夢列島!!』で明石家さんまが選ぶ「さんまのラブメイト10」の4位に選ばれるなど、NHK時代から抜群のルックスで話題になっていた。学習院大学理学部数学科卒業という学歴や、その美貌からクールな印象を持たれている方も多いと思うが、その実像はヤンチャでお茶目だという。
現在、都内の実家で暮らしている神田アナ。その生活はかなり庶民的で、家にはコーラと三ツ矢サイダーとポテトチップスが常備されており(特技は「利きコーラ」)、ご飯に味噌汁をかけて食べたりもしているようだ。声を大切にする女子アナという職業上、マスクやティッシュは必需品だが、それらももっぱら街でもらったものを愛用し、化粧品などは7年前から同じもの…。世間で知られる「女子アナ」のイメージとはかけ離れ、さながら少し前に流行った「干物女」のようなだらしなさすら感じさせる。
また、『ワイルド・スピード』や『アベンジャーズ』などのアクション映画が好きで、大の野球ファン。よく聴く歌手は氷川きよしに舟木一夫で、海釣りが趣味で一級小型船舶免許を所有。ここまで来ると、テレビ業界の花形である女子アナというよりは、オッサン臭まで漂ってきそうだ。しかし、男性観は「干物女」に準ずるように「理想のクリスマスは家で不二家のケーキ」、「外で男の人と手をつなぐのは恥ずかしい」と発言するなど純情な一面も見せる。
そんなイマドキの女性とは思えない神田アナだが、彼女の育った家庭もまたユニークだ。「栗ご飯」のことを「くりご」、「豆ご飯」のことを「まめご」と略すという母親は、「たけのこご飯」「茸ご飯」は「自分が嫌いだから作らない」らしいし、お兄さんはかなり“ヤンチャ”だったようだ。それを伝えるエピソードとして、神田アナがパーソナリティを務めるTBSラジオ『ザ・トップ5~リターンズ』で、中学二年生の頃に遭ったストーカーの話がある。
「最寄の駅からずっとついてきてるっていうのは何日か前にわかっていたんですけどね…。ある日、(私が)エレベーターに乗ったときに、(そのストーカーが)同じエレベーターから降りてきたんですよ。それで、たぶん私が上がる階数を確認し、階段であがってきて、廊下から私の部屋の机の上を物色し、そのあと玄関のドアの新聞受けから家の中をちょいちょい覗き…。もう超怖いですよね」
そのことを妹から相談された三つ上の兄は、待ち伏せし捕まえたという。しかし、問題はその後の展開だった。
「まあ、今じゃちょっとアレですけど、まあボコボコにした訳ですよ、胸ぐら掴んで。で、兄がそのとき通っていた高校の制服が(部屋に)あって、それで、兄の通う高校にそのストーカーから『退学にしろ』って連絡が入る、っていうことがありました。(兄は)前からそういうタイプで(笑)。(私が)小学校でいじめられたときも、いじめっ子を兄が飼育小屋の裏でボコボコに…。ケル・ナグールの世界でしたね」
可愛い妹を守るために兄がとった“ボコボコ”の正当性はさておき、実にあっけらかんと兄の“やんちゃぶり”を語る神田アナの自由奔放さは、従来の女子アナにはないものだろう。視聴率低迷が続き、人気女子アナの結婚や退社などで、開局以来最大のピンチを迎えているフジテレビ。神田アナは、その型破りで庶民的なキャラクターで、不振から脱却する起爆剤になれるのだろうか。
(文=江口タケシ)