2011年8月。壇蜜のブレイクよりも前に、「週刊ポスト」(小学館)に登場した一人の女性が、話題となっていた。彼女はグラビアアイドルではなく、「すべてが秘密 謎に包まれた超絶美・YURI」との謳い文句で数点の写真が掲載されただけだが、中高年読者層のハートを鷲掴みにし、瞬く間に人気に火が点いたという。「YURI」は仮名、年齢・出身地・職業も秘密。しかし昭和の香り漂う和室や田園風景が妙に似合う、艶めかしい色気を持ち、顔立ち・スタイルともに文句なしの美女だった。木村多江や笛木優子、入山法子のような、品がありながら薄幸そうな美人顔である。洋服を着ていても麗しいそんな女性が、一糸まとわぬ裸体を披露し、純和風の淫靡なエロスを表現しているのだから、読者の股間がアツく高ぶるのも当然だっただろう。
その後も定期的に誌面に登場し、上品かつ美しいヌードグラビアを見せてきたYURI。どのように生計を立てているのか、誰と暮らしているのか、友達はいるのか、普段は何をしているのか…一切が謎に包まれているため、読者の妄想は日増しに募る一方だったようだ。連載「YURI通信」もスタートし、「ポスト」には読者から彼女宛ての“恋文”と言えるファンレターが数多く届くようになったという。78歳の自称・作家が「手だけでいいから握りたい」と控えめな恋心を打ち明ければ、58歳会社員は「小振りな乳首が可愛らしい」と美身を絶賛、さらに64歳事務員の「寂しそうな笑いが好き」、47歳自営業の「処女であってほしい」など膨張した妄想を隠しきれない声まで。編集部には問い合わせが殺到したそうだ。
だが、これだけの人気を誇り、編集部の強い慰留にもかかわらず、彼女は突然引退宣言をしてしまう。「彼女の決断は揺るぎなく、しかも理由も不明」と編集部が説明するように、最後まで謎めいたイメージを崩さなかった。その後、電話番号も変更し、すっかり音信不通になってしまったという彼女。しばらく後に編集部がようやく連絡をとると、彼女は「外国に行っていた」とか細い声で話したという。行方不明とされた期間にも未公開カットを掲載していた「ポスト」だが、再び撮影を敢行し、大量のグラビア写真をストック。3月第一週発売の号でも未公開カットと称して第6弾グラビアが公開されているが、企画自体は終了とアナウンスされている。
これがどこまで事実なのか、すべて「謎の美女」というイメージをつくるための演出に過ぎないのではないか、とうがった見方をしたくなるものだが、意外なところから「YURI」に関する情報が飛び出した。
「彼女、『続・素人娘、お貸しします。63』という素人モノのAVに出演している柏木美玲という女の子に瓜二つなんです。この名前ももちろん仮名で、『家事手伝い・22歳』というのもAV上の設定でしょうが、作品が2月に発売されて以来、『どう見てもYURIだ』とネット上で話題になっています。YURIファンだった高齢世代は、まだ御存知ないかもしれませんけど…」(週刊誌記者)
その作品を見ると、確かに女性はYURIに似て色白・艶髪の美女だ。また、ハリのある形のよいバストと小振りな乳首もよく似ている。しかしYURIは裸身こそさらしているものの、声などは不明。メイクも「ポスト」グラビア時のナチュラル系とは違い、濃いめである。これだけでは本人と断定できないと思われたが…。
「ネット上では、胸元にあるホクロと、顔にある数か所の小さなホクロが完全に一致するとして、本人認定されました。実際、関係者に話を聞いたところ、どうやらYURI本人のようです。どういう経緯で素人AV出演となったのかはわかりませんが、メーカーは彼女がグラビア活動をしていたことは知らなかったとのこと。事務所に所属しているかどうかも不明です。結局、謎の美女は謎のままということですかね」(AV業界関係者)
それでも、ヌードグラビアで高齢男性たちをときめかせた彼女が、ちょいダサ昭和ルックではない流行の衣服に身を包んで年相応の喋り方で男優の質問に応答し、若い男の部屋やシティホテルで濃厚なカラミを見せているとなれば、ファンはとてもスルーできないだろう。「俺のYURIちゃんはそんなことをしない!!」と悲嘆に暮れる声もこだましそうだが、ファンには自身の目で確かめてほしいものである。