『私の奴隷になりなさい』を彷彿とさせる、一般人の調教セックスの実態

sexslave0304.jpg※イメージ画像 photo by Photo_Oberon from flickr

 今や、姿を見ない日はないといっても過言ではないほどの大ブレイクを遂げた壇蜜。彼女が世に出たきっかけは、昨年秋に公開された主演映画『私の奴隷になりなさい』だった。ごく平凡な既婚OLが、ちょっとしたきっかけで、とある男の性奴隷として開花されていくストーリーだ。

 この作品はもちろんフィクションだが、こういったことは現実にも起こり得るのだろうか? 壇蜜レベルの美女を性奴隷にしている一般男性はさすがにいないだろうが、「性奴隷を調教している」ご主人様生活を送っている人は、ごく少数だが確かに存在する。しかも、両者の間には金銭の授受はない。SMクラブのように、料金を支払って時間内だけM嬢を調教するのとはわけが違うのだ。

 そういえば、新宿のとあるフェティッシュバーで、まさに調教関係にあるカップルと言葉をかわしたことがあった。男性側は推定40代半ば、性側は20代後半といったところ。壇蜜には及ばないが、そこそこの美人である。スタイルもいい。2人は恋人同士ではなく、SMパートナーとのこと。金銭の授受もなく、男性側が特別なイケメンというわけでもないのに、性的関係が成り立っているとは、にわかには信じられなかった。よほど男性側のSMテクニックが卓越しているということなのだろうか? そこで男性側にSM歴を訊ねてみたのだが、アブノーマルプレイに手を出したのはごく最近で、亀甲縛りができるわけでもなければ、アナル開発のエキスパートでもないという。むしろ、女性側のほうは、かつてSMクラブでのM嬢経験もあり、SMにおいては先輩とのこと。なるほど、このカップルは、「調教」を受けているのは、実はS男性側のほう…と解釈できる。M女性側は、「ご主人様」としてまだ半人前のS男性が、自分とのプレイを通して一人前になることに悦びを見出しているのだろう。

 調教と聞くと、つい経験値の浅いウブな女性をイメージしてしまうが、ひと通りの経験を積んだ女性を選んだほうが、「ご主人様スキル」は上がるのかもしれない。

 気になるのは、M女性との出会い方である。1番難しいのはここだ。相手が見つからないことには始まらない。前出のM女性に聞いたところ、「出会い系サイト」と、あまりにも普通すぎる答えが返ってきた。出会い系サイトで性奴隷をGETできるとはいい時代である。しかし巷では、出会い系サイトなのにちっとも出会えていない男性のほうが多いように見受けられるが……

「私が出会い系サイトにご主人様募集のカキコミをした時は、50通近いアクセスがあったんですけど、マナーをわきまえた常識人は彼だけだったんです」(前出のM女性)

 彼女の言葉を要約すると、「初めまして」の挨拶文もなければ年齢などの自己紹介もなく、それどころかいきなり「我がメスブタよ!」「早く会ってイラマチオさせたい」など暴走した内容のメールがほとんどだったという。少しでもガツガツ感が出ると、女性側が引くのは当たり前。女性に飢えている男と思わせないことが肝心のようだ。

 上記のカップルのように、SM調教を前提として出会うカップルもいれば、気付いたらいつの間にかSMカップルになり、ご主人様になっていたケースもあるようだ。A氏(30代半ば)が、現在の奴隷女生徒知り合ったのは某SNS。お互いの恋人の恋愛相談をしているうちに、メールの内容がどんどん性的な方向に発展していった。やがて、頼んでもいないのに、女性のメールにエロ画像が添付されるようになる。おもしろがって、さらに過激な画像を要求したところ、これまでタメ口だったメールが、「承知しました」と、敬語に変わった。その後、メールの文頭には「ご主人様へ」と付くようになり、いざ直接会った時のセックスでも、自然と彼女のご奉仕を受ける流れになったという。このパターンも、前出のカップルのように、女性側が真性のマゾヒストで、いつの間にか「ご主人様」に仕立て上げられていたという流れも酷似している。

 肝心のプレイ内容だが、「奴隷」だの「調教」だの聞くと、ご主人様側の要求が全てまかり通るのかと思いきや、ほとんどのご主人様が首を横に振る。「ヤリたくなったら何時だろうとすぐに呼び出し…」ということはなく、女性側のスケジュールは考慮する。女性側が苦手なプレイは、無理強いすることもない。「意外とつまらないものだ」と思うかもしれないが、一定の範囲内であっても、「ご主人様」として傅かれる興奮は、通常のセックスとは一線を画していると、ご主人様経験者たちは口を揃える。奴隷女性が真性のマゾヒストだからこそ得られる興奮だ。

 以上を踏まえると、ご主人様志願者は、「経験値の浅いウブな女性を1から調教」ではなく、生粋の真性M女性を探したほうが賢いといえるだろう。
(文=菊池 美佳子)

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