左『ロンブー淳の2人ごはん 恋する77皿』角川マーケティング
右『Grazia 2012年5月号』講談社
多くのタレントが活躍する芸能界では、画面に映る顔とプライベートの顔がまったく違うなんて話は良く耳にすること。特に女優ともなればその差は激しいものになるという。そんな女優の裏の顔を赤裸々に配信した「アサ芸+」のニュースがネット上で話題を集めている。
「嫌われタレント性悪現場」として7日に配信された同サイトの記事によれば、老若男女世代を問わず好感度の高い女優として知られる松嶋菜々子(39)が、関係者いわく「本人はとても気性が荒く、言いたいことを言わないと気が済まない性格」で、「雑誌の撮影後はとにかく『シミを消せ。シワを消せ』とうるさいなんてもんじゃない」というから驚き。また、アラフィフを代表する美貌の持ち主である黒木瞳(52)にいたっては、「とにかくヘビースモーカー」らしく、「道に吸い殻を捨てるのを目撃したスタッフも」いるという。
さらに、世のオジサンたちから圧倒的な支持を得ている檀れい(41)は、「末端スタッフには目も合わせようとしない。ところが、局の上層部の人間が現れると、打って変わって『金麦』CMの笑顔で甘え、ボディタッチ」だというからCMとのイメージギャップが甚だしい。また、檀と同じように人に合わせて態度を変える女優としては相武紗季(27)の名前が挙げられていた。
関係者の証言を元にした「アサ芸+」の記事がどこまで真に迫っているかはわからないが、女優という職業柄、一般人とはかけ離れた容姿や役柄のイメージ、さらには彼女たちの独特なオーラのようなものが入り混じり、実際に会ってみると想像していたのと違うなんてことはよくあるだろう。あまりにも良いイメージを想像して、それが少しでも違えば「コイツ嫌なヤツだな」なんて思ってしまうものだ。何よりもイメージを大切にしている女優で、これだけの売れっ子ともなれば、その落差も桁はずれのものになるだろう。とはいえ、これだけ関係者に証言されているのだから、誰が接しても頷ける人格者とはいえないには違いない…。
一方で、極端な役柄のイメージなどもなく、容姿もいたって一般的なお笑い芸人たちは、こうした裏表のギャップというものがあまり取りざたされない。
「もちろん芸人さんも画面に映る顔とプライベートの顔っていうのは、誰もが多かれ少なかれ違うものですよ。ただ、女優さんと違って、そこまで大ごとにはならないですよね。『実はあの人って裏では性格悪いらしいよ』って言われても、『ふーん、そんな感じする』てなもんでしょ。芸人にもイメージはありますし大切ですけど、芸人さんはそれがどんなものでも武器にしてしまいますからね。とにかく笑わせることができればいいっていう芸人と女優では、そんなギャップのあり方も変わってくるでしょう。ただ、特に売れている芸人さんがそうですけど、皆さんすごく人柄が良い人が多いですよ。やっぱりバラエティではスタッフを含めてチームワークが大切ですからね。その先頭に立つ芸人さんっていうのは言わずもがなです」(バラエティ番組制作スタッフ)
お笑い芸人の光浦靖子は、3日に放送された『ボクらの時代』(フジテレビ系)で「MCをしている人に性格の悪い人間はいない」と語っている。前出のスタッフが言うように、全員一丸となって作りこんでいくバラエティ番組では、人間関係をうまく構築できるタイプが売れていくのかもしれない。芸人と女優、どちらもメディアで活躍する職業だが、周囲の環境も違ければ、求められるものもまったく違う。芸能界という世界で、芸人は売れるために性格が良くなっていき、女優は個性と美貌を磨くため性悪になっていくのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)