一斉家宅捜索に激震の秋葉原、「ソイネ屋」で添い寝してみた

soineya_9410.jpg「ソイネ屋」の「ねむ」チャン。

 1月27日、女子高校生らを雇い、個室で男性客に添い寝などをさせていたとして、警視庁は都内の「JKリフレ」と呼ばれる店舗を労働基準法違反容疑で一斉家宅捜索した。その結果、17店で女性店員計115人(うち15~17歳の少女が計76人)が保護されたという。これら店舗で行われていたマッサージやハグ、添い寝などの行為が、「客に性的な興奮を与える有害な業務」であると判断し、児童買春につながる恐れもあると見たことから、全国初摘発に踏み切った格好だ。

 メイド喫茶ブームが一段落し、新たなサービスを模索する中でこうした形態の店が増えており、都内だけで約80店舗が営業しているという。もちろん違法性のない優良店も存在するだろうが、その実態はどうなっているのか。「添い寝」をメインサービスにした店舗で、実際に体験してみた。

 今回訪れたのは、昨年9月20日、秋葉原にオープンした添い寝専門店「ソイネ屋」。女の子が一緒に添い寝をして話をするだけのサービスで、ヌキなどの性的なサービスは一切ないのだが、人気はじわじわ広がり、現在は新宿でも2店舗営業している。

 コースは通常20分3,000円、40分5,000円、60分6,000円…さらに数時間のロングコースもあり、一晩ぐっすり眠れる10時間コースは50,000円だ。別途、腕枕(3分1,000円)や膝枕(同)、見つめ合う(1分1,000円)といったオプションもある。

 利用客は20代から40代まで幅広く、シンプルな“癒し”を求めるメイドカフェ好きの人が多いそうだ。利用額はかなり個人差があり、オプションを利用するお客は半分くらいだというが、少ない人でも6,000円くらい。一度に4~5万円使っていく人もおり、横になって女の子と会話しながらそのまま寝てしまうこともあるそうだ。

 マッサージや耳かきをメインサービスにする「リフレ」とは違い、「添い寝」メインの同店は海外メディアからも注目を集めた。これまで、アメリカ、ブラジル、中国などさまざまな国から取材されたという。店長に話を聞いた。

「メイドカフェの次のサービスをずっと考えていて、たとえばメイドさんのいる『ハンモックカフェ』なんていうのもいいなと思いました。そんなとき、ニューヨークに1時間60ドルで添い寝をする女性がいて、添い寝がブームになっているという記事を見ました。それはデリバリーみたいでしたが、そのサービスを店舗でやったらどうかと。ただ、アメリカ人に聞いたところ、ニューヨークでそれが流行っているというのはウソみたいですが(笑)」

 2月にはドイツのメディアの取材を受ける予定だというが、困ったこともあるという。

「取材してもらえるのは大変ありがたいことなんですが、彼らは4~5人の大人数で来て、そこらへんに勝手に座ってガムを噛み始めたりするんですよ(苦笑)。ちょっと日本とは常識が違ってるんです。だから、ドイツのメディアには少人数で来るようにお願いしました」

 外国人にの目には、こうしたサービスはどんなふうに映っているのだろうか。

「クレイジーだと思ってるんじゃないですか(笑)。日本人は変わっているなと」

 “クレイジー”といえば、オプションにはユニークなものもある。「手をつなぐ」(10分1,000円)や「お客様が女の子の頭をいいこいいこする」(3分1,000円)などは“癒し効果”ということで一応理解できるが、ビンタ(1回1,000円)はどんなふうにするのだろう。カーテンで仕切った部屋で、ねむチャン(20歳)に聞いた。

soineya_9400.jpgパジャマスタイルがカワイイ。でもビンタ、してるんですか?

「往復ビンタで、愛情込めて、思いっきりビンタしますよ。これを選ぶお客さんはそんなにいませんけど(笑)」

 部屋の中に入って並んで寝転ぶと、思った以上に女の子の顔が近い。密室ではないが、カワイイ女の子と並んで横になっていると、遠い昔の初恋のような素朴なドキドキ感が得られる。一種の擬似恋愛だ。この至近距離で雑談するわけだが、中には口下手なお客もいるので、そんなときはねむチャンがお話してくれるのだそうだ。

「学校のことや趣味のことなど、いろいろです。大学生からご年配の方まで年齢は幅広いのですが、今のところイヤなお客さんに会ったことはありません。来るたびに手品を見せてくれる面白いお客さんがいて、“マジシャン”と呼んでいます」

 女の子によって、パジャマだったりスウエットだったり、衣装はさまざまだが、リラックスした雰囲気はメイド服とは一味違った魅力でもある。

 違法性の高い過激サービスや、中高生を雇用する悪質店が駆逐されていく流れは加速しつつあり、誠実な営業を続ける店舗しか残ることはできない。また店舗側はもちろん、利用客側も当然「風俗まがいの行為はNG」という意識を忘れてはならない。

soineya_9404.jpgそれでは、おやすみなさ~い。

(文=上条泡介)

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