時代はいま、空前の美魔女ブームである。こんなことを言っては熟女性に失礼かもしれないが、ひと昔前までは、「女性は若いほうがベター」という風潮があった。これには、男性の本能が関係しているのだろう。男性には、自分の遺伝子を次世代により多く残したいという本能が備わっている。そのためには、若い女性をパートナーに選ぶのが圧倒的に有利。女性が妊娠・出産しやすい年齢は10代後半~20代前半であるからだ。
しかし、その本能にさからって、いま熟女性に注目が集まっている。美容の進歩で、若くて綺麗な熟女性が増えていることが大いに関係しているのだろう。このブームに則って、なんらかの手段で熟女性とのセックスに漕ぎ着けた者も少なくないだろう。また、流行りものには目がないという人も、なんとかして熟女性とのセックスを味わってみたいと企てているのではないだろうか。
きっかけはどうであれ、熟女性とのセックスに臨む際、気を付けたいポイントがいくつかある。まず、精神面において。年下男性とのアバンチュールを楽しんでいる熟女性たちに話を聞いてみたところ、「熟女=欲求不満」と決めつけられるのが腹立たしいとのことだった。既婚未婚に限らず、何故か熟女性は「男日照り」という目で見られやすい。回を追うごとに過激化していく昼ドラの影響も強いのだろう。「昼ドラは寂しい熟女のズリネタ」「欲求不満の熟女のために昼ドラはエロ路線になっている」という男性陣の声を耳にする機会も多いが、熟女性たちいわく、「熟女が皆オトコに不自由しているわけではないとのこと。「寂しいんだろ?」「慰めてあげるよ」などの上から目線の発言は慎むべきだろう。
次に、肝心のセックスにおいて。「亀の甲より年の功」ということわざがある。年長者の経験や技術は尊いという意味だが、熟女性とのセックスに当てはめてはいけない。年上の包容力で、男性側の特異な性嗜好にも柔軟に対応してくれるはず、と決めつけて挑むとがっかりするハメになる。オナニーの見せ合いっこをしたい、ハメ撮りさえてほしい、排尿を見せてほしいなど、若い女性には求めづらいプレイかもしれないが、だからといってそれを熟女性で補おうとするのはタブー。保守的熟女のほうがまだまだ多いのだ。
そして肉体面。「くたびれた肌に興奮する」「黒ずんだ乳首や性器に興奮する」という男性も多いので、その点は特に言及しないでおこう。むしろ取り上げたいのは愛液の件。20年前はいかに濡れやすかった女性でも、齢を重ねることでどうしても潤い不足になりがちになることもある。女性の愛液不足を補うアイテムといったらなんといってもローション。女性誌のセックス特集から知識を得て、カバンにローションを忍ばせている熟女性も存在するが、「セックスに積極的すぎる!」と引いた態度をとってはいけない。男性のペニスが、齢を重ねるごとに勃起角度が低くなっていくのと同じと解釈し、寛大な態度で受けとめるべきだろう。
以上3点を留意すれば、他におそれるものは何もない。過度な期待は封印し、敬意を持って臨むことが大切である。
(文=菊池 美佳子)