ドラマ『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』(フジテレビ系)に準主役で出演している佐々木希。航空管制官をテーマにしたドラマのうえ、帰国子女という役柄だけに英語での長ゼリフを披露する場面も数多く登場するなど、これまでとは違った活躍を見せている。
佐々木といえば「機転が利かない」とバラエティ番組は降板、女優業も「セリフが棒読み」「やる気のなさが目立つ」という悪評があった。そのため、過去にはヒロイン役にもかかわらずセリフがまったくなかったり、演技シーンゼロで遺影のみの登場となったこともあったほど。いずれも、佐々木の演技力不足をカバーするための苦肉の策ともいわれたが、女優として売り出したい事務所の意向とは裏腹に、本人はファッション関係の仕事を熱望しているとも伝えられていた。
しかし、8月に佐々木がデザイナーを務めていたブランド「Cotton Cloud」が休業になると大きくショックを受けて、ドラマの撮影現場でも心ここにあらず。「鬱状態では」という声も聞こえるほど、落ち込んでいたと伝えられている。
それが、ここにきてセリフが急増しているのはどういうことだろうか。27日発売の「アサヒ芸能」(徳間書店)によると、その背景には同ドラマのスポンサーを務める花王の存在があるという。放送されている日曜21時は花王の1社提供枠で、かつて「納豆ダイエット」のデータ捏造問題で打ち切りになった『発掘!あるある大事典』が放送されていた枠でもある。
局としては、その件で借りがあるので花王の意向を無視できない立場にあるという。さらに、今年4月期にはオダギリジョー主演のドラマ『家族のうた』が3.1%という記録的な低視聴率を記録して8話で打ち切りに。それも踏まえて、フジテレビ側の配慮は尋常ではないという。今回のドラマの場合も花王のCMに出演している佐々木を起用するにあたって「ちゃんとした役を頼みますよ」といった“圧力”がスポンサーから制作サイドにあったというのだ。
「花王は『家族のうた』の視聴率が3%台になった際に、『契約打ち切りも考える』と激怒していたといわれていますからね。また、フジテレビと花王といえば、昨年夏にはフジテレビの偏向報道に端を発した抗議デモが花王の不買運動にまで発展しました。いわば、いわくつきのスポンサーというわけですよ。フジテレビとしては初回の視聴率が14%だったことでひとまずホッとしたでしょうが、2話以降は8~9%を行ったり来たり。予断を許さない状況でしょう」(芸能ライター)
ちなみに、佐々木の演技はネット上では「帰国子女の設定なのに英語の発音がちょっと……」「やっぱり本物の役者と並ぶと違和感がある」などといまだに疑問符がついている。英語のセリフに関しては、深田恭子や瀬戸康史の発音が評価されているだけに、引き立ってしまうようだ。やはり、本物の演技力をつけないと女優としての道は厳しいようにも見える。
「『セリフ覚えが悪くてNGが多い』といわれる佐々木には、専用のカンペまで用意されているというウワサです。しかし、演技が酷評されバラエティでのトークもできないといわれる佐々木ですが、『そこにいるだけでいい』と評されるように、CM出演は依然好調なまま。今回のように、スポンサーからの働きかけがあれば女優生命は意外と息の長いものになるかも…」(同)
ビジュアルを生かしたCMタレントとしての実績から、スポンサーのバックアップという強力な後ろ盾を得て、再び女優としてのチャンスを得たように見える佐々木。しかし、時代の流れを如実に反映するCMのタレントには“旬”であることが求められもする。女優オファーがある今のうちに、確たる視聴率か、数字は伴わなくとも代表作となる良作に恵まれなければ、ゆくゆくはCMという最大の武器すら失う恐れもあるのではないだろうか。
(文=津本ひろとし)
※一部誤字を修正しました。