「パイスラ女子」の胸の膨らみは偶然の産物ではない!?

※イメージ画像:『ぱいすら女子』グライドメディア

 「○○男子」「○○女子」という新語が登場するたびに、「これ以上のカテゴリ分けはカンベンしてくれ!」と、うんざりしている人も多いだろう。しかし、「π/女子」という新語には好意的な感情を抱くのが、オトコの本音ではないだろうか?

 「π/」と書いてパイスラと読む。パイは女性のバスト、スラッシュは斜め掛けカバンの紐部分のこと。ポシェットのような形状のカバンによって、胸の膨らみが強調されている女性を『π/女子』(パイスラ女子)と呼ぶのだ。水面下で話題を集め、ついにはパイスラに特化した写真集まで発売されるほどのブームが起きている。

 パイスラの魅力は、なんといっても「強調された胸の膨らみが、偶然の産物であること」だろう。よって、下着姿や水着姿の女性がカバンを斜め掛けしていても意味がない。もっと厳しいことをいうと、わざとらしく胸元が開いた服でのパイスラも不可。さらには、「巨乳女性のパイスラも価値がない」とまで言う者もいるくらいだ。要するに、微乳女性がカバンを斜め掛けすることによって、不可抗力として強調された胸の膨らみこそが萌えポイント、というのがパイスラの定義。意図的なエロさは求められていないのだ。

 以上を踏まえ、ここでは「露出度の少ない服装で、なおかつ微乳の女性が、カバンを斜め掛けしている状態」をパイスラと仮定しよう。

 本題はここから。街ゆくパイスラ女性の胸の膨らみは、本当に偶然の産物なのだろうか?

 女性の乳房は、小学校高学年~中学生の時期に発達し始める。初潮や陰毛が生え始めるのも同じ時期だ。ほとんどの女子は、自身の体が「大人の体」に近付いていくことに、多かれ少なかれ戸惑いを感じる。思い返せば、クラスの誰それがもうブラジャーをしているだの、プールの授業を休んだのは初潮を迎えているからだの、修学旅行の風呂に入らないのは陰毛が生え始めているからだの、いま思えばどうでもいいことで悶々とするのが思春期というものだ。

 そういった多感な時期、胸の膨らみがコンプレックスになった女子も少なくないだろう。初潮や陰毛は表面的にはわからないが、胸の膨らみは一目瞭然。マラソン大会で胸が揺れることや、斜め掛けカバンで強調される胸の膨らみに悩まされるものである。マラソンの場合は、それなりにボリュームのある胸しか揺れないが、斜め掛けカバンの場合は、どんなに微乳な胸でも強調されてしまう。その記憶は、大人になってからも確実に残っているはずである。

 つまり、大人の女性でカバンを斜め掛けしている者は、胸の膨らみが強調されていることに気付いていないわけではないのだ。自身の胸の膨らみが強調されていることをわかっているはず、ということになる。にもかかわらず、カバンを斜め掛けしているということは、もはや確信犯としか言いようがない。充分に意図的なエロなのである。

 一般女性から意見を募ったところ、ほとんどの者が「(自身の胸の膨らみが強調されることに)気付いている」という回答が返ってきた。開き直りか? とツッコミたいところだが、「エロさアピールではなく、斜め掛けカバンがラクだから」とのことだった。確かに、手持ちタイプのカバンよりもラクということはわかる。しかし、理由はどうであれ、胸の膨らみが強調されていることに気付いているというのは紛れもない事実。繰り返すが、意図的なエロということになる。

 この仮説に対して一般男性からは、「意図的なエロだったとしてもかまわない」という、なんとも寛大な答えが返ってきた。パイスラ女性たちが、胸の膨らみが強調されることに自分自身で気付いていても、視覚的に楽しめるのでノープロブレムだという。

 中には、「胸の膨らみが強調されていることに無頓着=ピュア」を求めていたのでがっかりだ、と意気消沈する男性もいた。そんな男性には、カバンの斜め掛けによるパイスラではなく、自動車のシートベルトによるパイスラをオススメしたい。カバンの場合は、「斜め掛け以外の、手持ちカバンを持てばいいだろう!」と反論したくなるが、シートベルトこそ不可抗力。偶然の産物として胸の膨らみが強調されてしまう、唯一無二のアイテムなのだ。そう考えると、「シートベルトによるパイスラのみに特化した写真集」が発売されてもおかしくないと思うのだが…。
(文=菊池 美佳子)

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