キングコング西野「千原ジュニアに喧嘩」騒動で分かったネット民との親和性の高さ

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※イメージ画像:「逢いたくて五反田(DVD付)」
西野亮廣とおかめシスターズ/R and C Ltd.

 キングコングの西野亮廣が、自身3作目となる絵本『オルゴールワールド』(にしの あきひろ名義/幻冬舎)を発売した。原案はタモリで、構想から足掛け5年で完成したという本作は、発売当初から話題を集め、Amazonの絵本ランキング(11月19日時点)で堂々の1位を獲得している。レビューでの評判も高く、「傑作」「感動した」「素晴らしい」と、5つ星がいくつも並んでいる。黒ペン1本で描かれた独特で緻密な世界観は、読者を魅了しているようだ。

 しかし、それでもやはり西野は西野。18日に行われた発売記念サイン会で、「気分転換はオナニーだった」と語り、「『えろつべ』でシコシコしてピュッと出して、絵に向かう(笑)。その繰り返しですよ。息抜きしないと続きませんからね。絵本作家がこんなこと言っていいのか? まあでも、本当だしなあ」などと発言。絵本作家らしからぬオナニストぶりをあっけらかんと話し、ネットユーザーたちから、「下品」「最低」「ぜんぜん笑えない」とお決まりのように非難を浴びた。

 そんな西野といえば、「千原ジュニアに喧嘩を売った」として話題になっている。騒動の発端は、西野の『NGKのエレベーターに乗ろうと思ったら、「まもなくジュニアさんが来られますので、待ってください」と吉本の社員。知らねーよ。』というTwitter。この発言を見たネットユーザーが、「ジュニアに喧嘩売ってるw」と話題にしたのだ。上下関係の厳しい吉本だけに、西野の発言が過激だとして注目を集めたのだろう。この発言について、ある関係者はこう分析する。

「ジュニアさんに対しての“悪意”はないでしょう。ただ、『はねるのトびら』(フジテレビ系)の始まったころから考えれば、明らかに吉本の社員たちが手の平を返したように接してきているということを感じたんだと思います。島田紳助さんにも気に入られて、かつては将来の吉本を背負うコンビとも言われてましたが、その紳助さんも去り、今の吉本にしてみればキングコングはそれほど重要なタレントではないのかもしれません」(業界関係者)

 西野のTwitter発言の真意がどこにあるかはわからないが、出てきた名前がジュニアだということもあってか(ジュニアもネット民から嫌われているタレントの代表格)、彼の発言を正当化する意見も多い。あれだけ西野を嫌っていたネットユーザーたちが彼を擁護しているのだ。これは少し不思議な現象といえる。なぜ西野はネット民に擁護されたのだろうか。

 西野の嫌いな理由をネットで検索してみれば、そこには「自己愛」や「自分の言葉に酔っている」「プライドが高すぎる」といった言葉がよく目につく。そして、同じような言葉によって語られるのが、ネットユーザーたち(特に匿名掲示板に集る人々)だ。もしかしたら西野というのは、彼を批判し毛嫌いするネットユーザーたちとかなり近い存在にあるのではないか。

 何かにつけて突飛な発言をして、変わり者だといわれている西野。そんな西野にネットユーザーらが、どこか似た空気を感じているとすれば、彼への容赦ない批判も納得できる。つまり、同じ穴のムジナでありながら、リアルの生活を充実させている彼への反感ということだ。かくいう記者も、多くの読者同様、西野には得体の知れない嫌悪感を抱いているが、心のどこかで、自分の世界をありのままに表現している彼に、何か羨ましいような嫉妬の気持ちがあるのは残念ながら否定できないでいる。そうした感情こそが、西野批判の根っこなのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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