先日、筆者トビタはなぜか女子会に参加していた。そして、会の中である女性が発したエピソードに耳を疑った。そのエピソードとはこんなものである。
「私、ずっと彼の浮気を疑っていたの。たまにしか会ってくれないし、エッチもここ3カ月ご無沙汰だったから。でもね、この前、久々に盛り上がってエッチしたの。そしたら彼ね、入れてから3分も経たないうちにイッちゃったの。彼は『ごめん』って言ってきたけど、全然謝る必要なんかない。むしろ、私うれしかった。だって、こんなに早くイクってことは、セックスが久々だったってことじゃない? つまり、浮気なんてしてなかったのよ」
彼女の話をまとめるとこんな感じだが、この女性はつまり「彼がすぐイッた=セックスは久しぶり=女遊びはしていなかった」と考えたようなのである。しかし、筆者トビタはその考えに断固反対したい。その女子会では何も言わなかったが、心の底ではエピソードを披露した女子に対して「残念ながら、あなたの彼氏は浮気している」と同情した。
その女子会以来、男女20人ほどに「早漏=セックスをやり慣れていない=女遊びしていない」という式が成り立つか尋ねたところ、8割以上の人が「成り立つ」と答えた。だが、やはりそれは違うのではないだろうか。むしろ「女遊びをすればするほど、あるいは、モテればモテるほど早漏になる」といいたい。
確かに、同じ女性と何度もセックスをすると、初期は高い興奮のためすぐフィニッシュしていたのが、だんだんイキにくくなるケースが多い。しかし、浮気をする男性は複数の女性と関係を持っており、セックスも「同じ相手」とし続けることは稀。さらに、女遊びが盛んな男になれば、同じ女性をキープし続けるのではなく、次の女性をどんどん探すため、絶えず体の関係を持つ相手は入れ替わっていく。
そこで今回の問題。まず、モテる男性、あるいは色々な女性と体の関係を持つ男性にとって、一人の女性との一回のセックスがどのような価値を持っているかを考えたい。おそらく、女遊びが派手ではない男性に比べ、一回のセックスの価値はずっと低いはずだ。なぜなら、セックスの相手になる女性はあくまで「大勢の中の一人」であり、セックスも「色々な人とたくさん行ううちの一回」になってしまうからだ。
ここでみなさんのオナニーを想像して欲しい。果たして世の中に、緊張感を抱きながらオナニーを開始し、30分以上シコシコ運動を続ける男性がどれだけいるだろうか? おそらくかなり少ないだろう。ほとんどの男性は、何気なくオナニーを開始し、たった数分で事を終えるはずだ。なぜなら、オナニーに貴重さを感じていないから。オナニーはやろうと思えばいくらでもできるし、緊張することもない。そのため、そこまで時間をかけようとも思わない。
モテる男、あるいは女遊びが激しい男にとっては、セックスもこの感覚に近くなってしまう。新しい女性を口説き落とすことにスリルや緊張感は感じても、セックスという行為自体にはそれほど価値を感じないし、貴重とも思わない。もっといえば、挿入した時点で彼らの歓びは完結している。そのため、入れてからいかに楽しむかを考えなくなってしまうのだ。結果、早漏へとつながる。
また、本人は以前と同じ心持ちでセックスしているつもりでも、わずかな気の緩みが影響して、次第にクイックフィニッシュ傾向が強まる可能性もある。つまりこのケースにおける「早漏」は、ガマンできないのではなく、ガマンをしようとするモチベーションがないのだ。
冒頭の女性は、ガマンできずすぐに発射した彼氏の姿を喜んだが、筆者トビタが「いや、その男は間違いなく女遊びをしている」と感じたのは、こういうわけである。
とはいえ、早漏が浮気をカモフラージュしてくれるなら、それほど都合の良いことはない。浮気をすればするほど、彼女とのエッチに対する集中力は低下するため、早漏傾向は強まる。それを逆手にとって、「これで浮気してないってわかったでしょ? 最近時間作れないのは、仕事が忙しいだけなんだって」とうそぶいてしまえばいい。その言葉を聞いた彼女は安心して、しばらくは浮気を疑わなくなるはずだ。
(文=トビタシンイチ/ブログ「トビタシンイチのエロ探検記」)
トビタシンイチ(とびた・しんいち)
日夜エロネタを求めて風俗・合コン・ナンパに挑むエロ探検家であり、ライターとしてさまざまな失敗エピソードを紹介している。国内有数の早漏男子という顔も持つ。