富山県を中心に活動するローカルアイドル・道音亜惟(みちおと・あい)さん(19)が、セクハラ被害によって所属事務所を辞めることになったと告白し、アイドルファンの間で話題となっている。
黒部市出身の道音さんは、一昨年にフリーペーパー「美少女図鑑」の富山版に掲載されたことがきっかけとなり 、モデルやアイドルとしての活動を開始。現在は東京の事務所「リッカタレントエージェンシー」に所属していたが、代表兼プロデューサーの林謙一氏(46)にセクハラされたとして、11月8日に自身のTwitterで以下のように発表した。
「所属していました、リッカタレントエージェンシーの代表、林謙一からセクシャルハラスメントを受けた為、残念ですが男性恐怖症になり所属を辞めると、親と相談してなりました。皆さん楽しみになさっていた来週のイベントは中止になります。皆さん続けて応援していただけると嬉しいです」
道音さんは警察に被害届を提出することも検討しているという。これを受けて代表の林氏は、自身のブログでセクハラ騒動を釈明。「今回は、本当にごめんなさい」と道音さんに謝罪したうえで、レコーディング中に体調不良を訴えた彼女に対し「その際、結構本音の話を聞かされて、慰めたいと思い、ハグをさせてもらいました」という行為があったことを説明した。さらに、控え室で休んでいた彼女の横に座り、「『ちょっとこっちにきいや』と肩を抱きました。亜惟ちゃんは『そういうのは、ちょっとと』拒否したのですが(中略)つい無視して、半ば強引に、頭をなでました」という経緯があったと記している。
ここで道音さんの身体が恐怖でこわばっていることに気付いた林氏は「ヤバいな」と思い、行為をやめたという。この経緯が道音さんの親に知れることになり、彼女は事務所からの離脱を林氏に通知。しかし、林氏は「すぐ辞める印象をつけない方が良いので、しばらくは、形だけでも、うち所属にしといてくれ」と懇願し、仕事や今後のことで何通もメールを送ったようだ。その結果、道音さん側から「ストーカー行為は、止めてくれ」というメールが送られ、騒動も公にされることになった。
セクハラは被害を受けた側の気持ち次第とはいえ、ハグや頭を撫でた程度で騒ぎたてるのは自意識過剰ではないかという見方もある。だが、道音さんは「セクハラは以前からありました」と明かし、「既婚者にも関わらず付き合ってくれ、愛している、家を借りて一緒に住みたいなど。そして今回は肩を抱いただけとありますが布団に入ってこられ、無理矢理肩を掴まれました」という悪質な行為があったことを暴露した。
林氏は「慰めるために、肩を抱くという行為に下心がなかったかと言うと、違うかも知れませんが、正直、単純に、愛しかっただけです」とも記しているが、道音さんの記述とは随分と食い違う。さらに「もう一度チャンスがあるなら、もう一度、楽曲、マネージメントやらせて下さい。僕は、心から、亜惟ちゃんのことが、大好きです」と未練をのぞかせている林氏だが、フラれた男のようなセリフで彼女の心を引きもどすことは難しそうだ。
近年のアイドルブームで多くの若い女性が夢を抱いて芸能界に入っているが、彼女たちを食い物にするセクハラ被害は横行しているのだろうか。
「昔と変わらず、枕営業や事務所の有力者がパワハラ的にタレントに手を出すケースはあります。しかし、最近はアイドルやタレントの敷居が低くなったこともあり、そういった悪習に染まらない女の子が増えている。素人感覚という見方もありますが、芸能界の健全化のためには良いことだと思いますよ」(芸能プロ関係者)
男性恐怖症にすらなったという道音さんの今後が心配だが、多くのファンから寄せられた励ましの声を糧に頑張ってほしいものである。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)