四季がある日本では、季節感を尊ぶ傾向が強い。むろん、海外にも四季がある国はいくらでもある。しかし、「春は桜」「秋は紅葉」など、それぞれの特徴を際立たせて楽しむのは、やはり日本人の国民性なのだろう。
なお、性的分野においても、日本人は季節感を重視したがる。暑い夏場は、虫除けスプレー片手にアオカンに繰り出した男女も大勢いるだろう。また、汗を流すついでにシャワーオナニーに耽るのも夏の醍醐味。ほか、男性のペニトレとして有名な金冷法(※)も、やはり夏が適している。ペニスに繰り返し冷水をぶっかける行為は、寒い冬場には向かないトレーニングだ。
(※ https://www.menscyzo.com/2011/05/post_2566.html)
さて、季節は移り、今は秋。夏とはひと味違う、秋ならではの性的行為を楽しむのが日本人というものだ。秋はなんといってもパンストプレイだろう。夏の間、ほとんどの女性たちはナマ足だった。しかし10月1日の衣替えを機に、オフィスでも私服でもパンストを着用し始める女性が激増するのは、この時期の風物詩である。パンストプレイ愛好家にとってはまさに嬉しい悲鳴といったところか。
今までパンストプレイに馴染みがなかった男性も、今年の秋は是非パンストプレイに挑んでいただきたい。というのも、パンストプレイは秋にしか楽しめない、季節限定プレイなのだ。もう少し寒さが厳しくなってくると、女性たちはパンストよりもぶ厚いタイツを穿き始める。よって、パンストプレイが楽しめるのはせいぜい10月11月くらいだろう。季節感を尊ぶ日本人としては、何が何でも外せないプレイなのである。
パンスト愛好家に、パンストプレイの醍醐味を聞いてみたところ、まず挙がったのが「手触り感」とのこと。男女には「性差」というものがあり、いかに男女平等が叫ばれている現代であっても、肉体的違いや社会的に従事できる職業は異なる。服装も然り。パンストは、一般的には女性だけが身につけるものだ。よって、パンストの手触りを新鮮に感じるのも当然のこと。パンストをはいた女性の脚を撫で回し、その触感を「気持ちいい」と解釈するのは決して特異な嗜好ではないだろう。
「パンストは破いてなんぼ」と語るパンスト愛好家も存在する。アダルトビデオのレイプ作品などでは、強姦魔役の男優が、女優のパンティを破る描写があるが、あれはあくまでもエンターテインメント。実際のパンティは意外と布地が頑丈で、いかに男の力でもそう簡単に破れるものではない。その点パンストなら、軽く力を込めるだけであっという間に引き裂くことが可能。ワイルドな挿入をしてみたい願望がある男性にはピッタリのアイテムなのだ。
ただし、視覚的にはワイルドで興奮材料にもなるが、破き方によってはピストン運動しづらいこともあるようだ。また、女性陣からは「高かったパンストを破かれるのはご勘弁」とのこと。男の目からだと、どれも一緒にしか見えないが、中にはブランド品だったり芸能人プロデュースの限定品もあるので、予告なく破いては、女性の機嫌を損ね、セックスが中断になってしまうかもしれない。事前確認を怠らないよう気を付けたいものだ。
破いたパンストを用いて拘束プレイに発展させる楽しみ方もあるようだ。ソフトSMブームの昨今、目隠しや手首縛りだに興味を持つ人も少なくないが、ハンカチやタオルでは短い。かといってネクタイは、シワになるのでできれば使いたくない。そこでもってこいなのがパンストなのだ。伸縮性に富んでいるので縛りやすいと、愛好家たちの間では評判である。
最後に、被るという選択肢。男性が被り、染みついた匂いを楽しむのかと思いきや、意外に多かったのが、「女性に被せてこそパンストプレイの醍醐味!」という嗜好だ。言うまでもないが、パンストを被ることで、どんな美人でもヘン顔になる。それがS気質の男性にとってはたまらない興奮材料になるとのこと。鼻フックの簡易版といったところか。SMでは、美しい女性に鼻フックをさせ、メスブタと揶揄するプレイがあるが、さすがに鼻フックには抵抗を示す女性が多いはず。また、鼻フックをわざわざ購入するのは気が引けるという人にとって、パンスト被せはハードルが低いのであろう。
このように、パンストひとつで様々なバリエーションが楽しめる。紅葉狩りやキノコ狩りに出かける余暇のない人は、パンストプレイで秋を感じては如何だろうか?
(文=菊池 美佳子)