大ヒット中のTRF「イージードゥ・ダンササイズ」などのダイエット商品を取り扱うwebサイト「エクサボディ」が、30~40代の女性2,350人を対象に行ったアンケート調査で、もっとも「くびれ美人」が多いのは、兵庫県だったという結果を発表した。2位は香川県、3位は石川県で、以下、山梨、愛知の順だった。
一方、もっともくびれていないワースト県は熊本県だったそうだ。同じ九州の宮崎県が46位、沖縄県も43位なので、女性のくびれは温暖な気候と何か関係があるのかと思いきや、鹿児島県は19位。この調査で尺度として使われた「くびれ美率」は、「ウエスト÷ヒップ」で算出。そして、もっとも理想的なくびれ美率は0.7だそうで、その根拠は不明だが、あのミロのヴィーナスのくびれ美率も0.7というから、世界的に通用する基準なのかもしれない。今回の調査でも0.7にいちばん数値に近かったのが、兵庫県だったというわけである。
このくびれ美率、トップ兵庫県とワースト熊本県の差は0.047だそうで、日本人女性のヒップの平均サイズを88.8cmとした場合、ウエストの差としては4cmになるというから、この0.047は意外とバカにできない。
この“くびれ”、今では女性の美しいボディラインの指標となっていることに疑う余地はない。太っててオッパイが大きいのは当たり前、全身スレンダーだと棒のようでくびれはできない。よく、「ポン・キュッ・ポン」と形容するが、まさしくそれだ。
たとえば、熊田曜子の公式スリーサイズはB92・W 56・H 84で、彼女のくびれ美率は0.66。驚異のくびれ具合なのだ。AV界でもくびれをセールスポイントにしている女優は多く、草凪純、小澤マリア、桜ここみ、佳山三花、妃乃ひかり、JULIA、早川瀬里奈など、ビッグネームが次から次へと出てくる。そして、村西とおる監督時代まで遡れば、元祖は卑弥呼だろう。「ミス日本」の称号を引っ提げて90年代に活躍し、「和製トレイシー・ローズ」とも呼ばれた彼女のスタイルは、B90・W60・H87。熊田曜子にこそ及ばないが、まさに「ボン・キュッ・ボン」である。
では、どうして男は女のくびれが好きなのか。まず、解剖学的には、妊娠・出産のために女性のほうが男性に比べて骨盤が広く(お尻が大きい)、腹筋・背筋が薄く(胎児を圧迫しないように)なっていると説明される。それで女性のほうがウエストとヒップの差が大きくなっているのだ。脂肪のついていない、女性の腰のくびれは、「私は今、妊娠していませんよ」という無言のメッセージであり、男が腰のくびれた女性を選ぶのは、種族保存の本能からもごくごく自然のことである。
それから、女性ホルモンの多さという観点から説明する学者もいる。エストラジオールという女性ホルモンの量が妊娠に関係するそうだが、男は豊かな胸と引き締まったウエストで、女性が妊娠する能力に優れているかどうかを選んでいるのだ。女性が妊娠しやすいのは10代後半から30代後半までだが、一般的に男が若い女を好むのは、その事実を原始の時代から遺伝的に知っているためで、種族保存の本能からすれば、これまたごくごく自然のことである。
男性も女性も、何もしなければ加齢とともに体のラインが崩れ、女性のくびれは消えていく。よって、男の本能は「妊娠しずらい個体」であると判断し、魅力を感じなくなるのである。そう考えると、昨今の“熟女ブーム”は男の本能に逆らった一種の現代病であると言うこともできそうだ。
(文=上条泡介)