8月8日に4時間にわたって生放送された『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)。普段共演しないようなベテランミュージシャンとアイドルのコラボレーションや、大御所同士の共演などみどころたっぷりの豪華な内容が人気のFNS歌謡祭だが、カラオケレベル以下の歌声を披露してしまった出演者も少なくない。
「ロックバンドのザ50回転ズの演奏で代表曲『ヘビーローテーション』を披露したAKB48はひどかったですね。複数人で歌っているのにそれぞれの音程がバラバラで声が合っていない、ダンスも集中できなくて雑になってしまう始末。朝からリハーサルして一日拘束される現場だったのですが、他のアーティストのリハ中などはAKBメンバーたちは『ヒマ~』『ダルいね~』なんて言ってましたよ。そんなにヒマなら練習しておけばいいのに、と思いましたね」(音楽事務所関係者)
普段テレビで曲を披露するときは「口パク」でおなじみのAKB。前田敦子のソロ曲も生歌だったが、和田アキ子も絶賛する歌姫・Superflyの直後だったため、不安定な歌声がいっそう際立っていたという。さらに憧れの声優歌手・水樹菜々とのデュエットに挑戦した渡辺麻友も「声量が違いすぎるうえ、ハモッてるんだか音を外してるんだかわからない」(前同)。AKB勢のみならず、NOKKOと共に「フレンズ」を熱唱した中川翔子なども「まゆゆとそう変わらないレベル」だったという。
一方、アイドルではなく「歌手」として長く活動を続けてきた者でも、「生歌は厳しい」と評価されてしまうこともある。昨年末のNHK紅白歌合戦以来、実に8ヵ月ぶりの歌番組出演となった浜崎あゆみは、自身のバックバンドとバックダンサーズを引き連れてトリ前を務め、新曲と2003年夏のヒット曲「Greatful days」を披露。しかし以前から言われているように10年前と比べると声質が変化しており、細く透明感のある高い声はもう出せないのか、キーこそ下げていないものの野太くハスキーに歌い上げた。ネット上では「見た目は小森純、声は大友康平」と揶揄されているほどだ。
FNS歌謡祭は、昨年末の放送でも「嵐の生歌がヤバイ」「放送事故並みの下手さ」と騒ぎになった。機材トラブルで各メンバーの声が放送に反映されていなかった可能性もあるが、曲の歌い出しの部分からほとんど声が出ておらず、「口パク予定だったのに歌声が流れなかったのでは?」と憶測を呼んだ。
「普段からボイストレーニングをしないから声量がなく音程も安定しないんです。AKBなんかはグループなのに合わせて歌う練習もしていないから、みんなで大声を出せばうるさいだけ」(前同)
そんなAKBの背中を見ているせいか、最近の若手アイドルはライブで生歌に取り組むグループも増えてきたという。先日開催されたアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2012」でも、多くの出演者が踊りながら懸命に声を出していた。「下手でも生歌の方が頑張っている感が伝わるからいいです」と話すアイドルファンもいる。曲がりなりにも「アイドル歌手」を自認しているのならば、歌のレッスンにも真面目に取り組み、アイドル界から口パクを廃止させるぐらいの気概を見せてほしいものである。