『セックス・アンタ・ト・シテェ』タイトルセンスもハンパないパロディAVの魅力

kaseihuwomita.jpg※イメージ画像:『美人すぎる家政婦をミタ』ATOM

 『家政婦の股』(プレミアム)、『家政婦のキタ』(エスワン ナンバーワンスタイル)、『家政婦はミテタ!!いやらしすぎる家庭事情』(STAR PARADISE)、『美人すぎる家政婦をミタ』(ATOM)、『家政婦がミセタ 無表情潮吹き』(ROCKET)、『家政婦のミワ 完全ノーモザイク』(アースリー)……。ちょっと検索しただけでも、ざっとこれだけ出てきた。言うまでもなく、大ヒットテレビドラマ『家政婦はミタ』(日本テレビ系)のパロディとみられるAVのタイトルだ。「パロディ」なんて言ったら、ひょっとして業界関係者から「インスパイアされただけだ」とお叱りを受けるかもしれないが、タイトルとパッケージ写真を見る限り、ほとんどの出演女優が主演の松嶋菜々子が劇中で着ていたようなダウンジャケットと帽子を着用しており、『ミタ』を模していることは一目瞭然である。

 ここまでパロディが乱立するのは、やはり本家『ミタ』が視聴率40%超えのお化け番組となったからである。これまでにもアニメやドラマのパロディAVは数多く輩出されているが、その作品数は元ネタの人気ぶりを示すバロメーターとも言えるだろう。それにしても1つのテレビドラマからこれだけの数が乱立するというのはかなり珍しく、『ミタ』ブームのスゴさをあらためて思い知らされる。

 これまで人気が高かったパロディAVといえば、子どもたちよりも大人から厚い支持を得たアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』。アニメのキャラクターは体型や髪色が独特でただ単純にコスプレをするだけでも難しいが、元ネタへの溢れんばかりの愛情でこれに挑んだ制作陣の男気が評価されたのか、アニメファンからも「クオリティが高い」と喝采を浴びた。同様に、最近では女子高生たちがバンド活動を楽しむほのぼのライフを描いた『けいおん!』もパロディAV化され、話題を呼んだ。ファンタジーやバトルモノの元ネタを映像化するのは困難ゆえ、学園モノが多くなりがちではあるが、ヒロインが凌辱されるファンタジーバトル系も実は充実している。

 バラエティ番組も負けてはいない。『ハメトーーク』(ATOM)は人気トーク番組に過激にインスパイアされたバラエティ形式AV。総勢14人のAV女優が赤裸々エロトークに花を咲かせながら乱交に及んでしまう、笑ってヌケる一本である。こうしたバラエティ番組のパロディものは他にも『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の人気コーナー「食わず嫌い王決定戦」にヒントを得たと思われる『ヤらず嫌い女王決定戦』などがあり、こちらも笑える。4人の人気AV女優が「2本挿し」「電マ」「放尿」「黒人ファック」などの大好物を提示し、実食。どれも過激プレイだが、一体どれが女優たちの「大好物」でどれが「実は苦手」なのか、実食を見て判断してほしい。

 その他、実写映画化もされた某有名マンガによく似たタイトルの『20センチ少年』は20センチの巨根を持つ少年が主人公のシリーズで、すでに12本も発売されている人気作。くのいち忍者をメインに据えた『BIN BIN 忍者ハメ撮りくん』、伝説の痴漢セクハラ男が暴れまくる『サワリーマン金太郎』といったVシネマもある。

 こうしたパロディAVの文化は日本独自のモノではなく、アメリカンポルノも元気だ。今も語り継がれる名作『タイタニック』をオマージュした『パイパニック』はあまりにも有名。「もっと腰をフレディ~」と思わずオヤジギャグをつぶやきたくなる『エロム街の悪夢』、新作『ダークナイト ライジング』公開間近のバットマンシリーズにも当然パロディは存在し、その名も性器のヒーロー『ドバットマン』だ。OLたちを中心に共感を集めた『Sex And The City』は『セックス・アンタ・ト・シテェ』……アメリカンジョークというよりもダジャレ連発状態のアメリカAV界である。こうして見てみると、パロディAVのタイトルは1つの文化と言えるかもしれない。タイトルやキャッチコピーのネーミングセンスを見て楽しみ、中身をじっくり見てヌいて、一本で二度オイシイ、それがパロディAVの魅力である。

men's Pick Up