先月、世界保健機構(WHO)が、淋病の変異株の感染が世界的に拡大していると警告した。しかもこの変異株は、抗生物質が効かないというからかなり怖い。
淋病はもっとも一般的な性感染症の一つで、感染者も少なくない。男性の場合、2~9日の潜伏期の後、排尿時の痛みや性器から膿が出るなどの症状があるが、2~5%は症状がないと言われる。女性の場合、感染しても何の症状も出ない人も多いが、炎症が広がると、不妊症や子宮外妊娠、慢性骨盤痛の原因にもなるという。
今回の発表が性感染症に関するものだっただけに、風俗界には危機感が広がった。しかし、理由はそれだけではなく、この“新型淋病”が最初に発見されたのが日本だったからだ。この件について取り扱った「週刊実話」(日本ジャーナル出版)の記事では、医療ライターが次のように明かしている。
「京都府の風俗店(ファッションヘルス)で働く女性の喉から発見され、カナダで開かれた国際性感染症研究会議で報告されたのです。『H041』と名付けられたこの菌が見つかったのは’09年。それまで人への感染は確認されていなかったのです。この『H041』は淋病治療に最も有効とされているセファロスポリン系の抗生物質が効かない。報告を行った研究者は当初から『感染が広がれば適切な治療法がない』と危惧していたのです」
ニューズウィーク日本版は昨年、Webサイトの記事で、この薬剤耐性の淋菌発見について「排尿で痛かったり 膿が出たりするのはこれまでの淋病と同じだが、放置すれば、最悪の場合は死に至る可能性もある」と報じていた。また、仏AFP通信の日本語版も、「薬剤耐性を持つ淋菌を初めて特定」としたうえで、「急速に拡大する危険性があると懸念」と伝えている。海外ではそのほかにも、カナダ放送協会や米ABCテレビなどがリポートしていたようだ。
海外でそんな大騒動になっていたとは恥ずかしながらまったく知らなかったが、女性患者を診た保科医院(京都市)の保科眞二院長は雑誌の取材に「死ぬ人は多分出ないと思いますが、治りにくい淋菌が増えているということです」と話している。死なないということで、ひとまず安心。さらに、厚労省の結核感染症課によれば、「女性はすでに効果のあった抗生物質で治療を終えており、それ以外の患者は見つかっていないと聞いています。現時点で感染が広がっているとの情報はありません」とのこと。
ただ、ある医療関係者は耐性菌が増えている背景について次のように指摘する。
「オーラルセックスでも、口の中にある薬剤耐性を得た類似菌と遺伝子組み換えが起きていることが原因ともされています」
医学の素人にはちょっと難しい話だが、要するに、喉に淋菌の感染した女性がフェラチオをすると、口の中でパワーアップした菌がチ○ポから感染してしまう可能性があるということだ。前出の保科院長は、「もちろん普通のセックスでも移りますので、一番の予防はコンドームをしっかりするということです」とアドバイスしている。
しかし、ヘルスに行って今さらゴムフェラってわけにもいかないしネ……。貧乏人なので、ナマが基本の高級ソープには行かないから関係ないけど、やっぱり、ヘルスのフェラは……。
(文=上条泡介)