ついに鬼女がテレビデビュー! ネットに擦り寄るテレビバラエティー!?

dokujopower.jpg※イメージ画像:テレビ東京『毒嬢ヂカラ』公式HPより

 17日深夜から始まった『毒嬢ヂカラ~愛ある毒がニッポンを楽しくする!~』(テレビ東京系)で、ついに鬼女がテレビデビューを果たしたとして話題を集めている。番組内企画のひとつとして紹介された鬼女だが、いくらネットの世界では有名とはいえ、テレビなどで大々的に取り上げられるのはおそらく初めてのこと。一般のネットユーザーらは、「ついにキターw」と鬼女たちのテレビデビューに大きな関心を寄せた。

 「ネット社会が生み出したモンスター“鬼女”」としてお披露目された彼女たち。ネット文化をそのままテレビバラエティーの企画として放送することに多少の違和感はあるものの、その内容は、鬼女を知らぬ人々にとっては大きな衝撃を与え、また、鬼女たちを知っている人々にも改めてその存在感を示すものになったに違いない。実際、番組関連の掲示板などには、鬼女たちへの恐れのコメントが散見していたりもする。

 番組内で、正義の執行人として紹介された鬼女。その実情といえば、既婚女性たちという大まかなくくりが存在するのみで、そもそも匿名掲示板のため判断が難しく、中には男性はもちろん学生や子どもたちも多いとする向きもある。しかし、その類稀な行動力は確かなもので、やはりそれができるのは、時間と財力にゆとりのある既婚女性が主力となっているからであろう。執拗に粘り強くターゲットを変えない様子は、女性特有の執念深さのようなものを感じる。

 普段は基本的に芸能ゴシップなどをネタにし、掲示板でかなり激しく盛り上がっている鬼女たち。しかし、番組でも紹介されていたように、ひとたび許せない社会悪を発見すると、徹底的にそのターゲットを追及するのが鬼女たちの特徴。特に、いじめ問題や公務員の犯罪、レイプ事件などに対する反応は凄まじく、小学校教員が痴漢で捕まりながら別の学校でいまだに教鞭をとっていることを、当人の些細な書き込みから気づいた彼女たちは、その人物を特定、見事に“祭り上げる”ことに成功したという。

 そんな鬼女たちの捜査能力はCIA並みと称されるほどだ。さすがに、いち一般人の集まりでCIA並みというのはギャグだろうが、時間と金があり、さまざまな職歴から専門知識を持った人々も多いというから、あながち誇張ではないのかもしれない。一般のネットユーザーらがこぞって「鬼女こええー」と叫ぶのは、その行動力が本物だということを示している。

 ネットの世界でとかく恐れられている鬼女たちを取り上げた『毒嬢ヂカラ』。ネットで話題の現象をテレビ番組内で紹介するということはよくあることだが、“鬼女”を取り上げるとは思い切った企画といえる。しかし、鬼女とはあまりにもネット独自の世界。番組を見た一般の視聴者は鬼女という人々をどう思うのだろうか。正義の執行人として紹介された彼女たちを賞賛するのか。それとも多くのネットユーザーらと同じように恐れをなすだけだろうか。ともあれ、今後もテレビがネットからネタを拝借するようなことが続くとすれば、その立場は逆転するに違いない。いや、もうすでにネタの豊富さや人材では、ネット世界の方が何歩も先に行っている。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
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