右『新アルティメイトブック馬』緑書房
日本最大の競走馬セリ市「セレクトセール2012」が今月9~10日の2日間にわたって開催された。上場された453頭のうち360頭が落札され、総額108億1,112万円の取引が行われた。
かなりの盛況ぶりだったようだが、高額落札の常連として注目されたのは「ドラゴン」の冠号で知られる馬主親子。その親子とは、AKB48の運営会社「AKS」の窪田康志社長と父親の窪田芳郎氏だ。芳郎氏は以前から馬主として有名であり、息子の窪田社長も「タイキ」の冠号で知られる大樹レーシングクラブの代表取締役を務めたことがあるなど競馬界と縁が深い。
今回のセリでは、芳郎氏がカリの2012(父・ディープインパクト)1億2,600万円、バイザスポーツの2012(父・ネオユニヴァース)6,510万円、スマイルトゥモローの2012(父・ディープインパクト)6,090万円、ビーチフェスタの2011(父・ファルブラヴ)1,480万円を購入、窪田社長はシャープキックの2011(父・マンハッタンカフェ)3,780万円、フィヨルドクルーズの2011(父・タイキシャトル)1,600万円を落札。親子で合計3億円以上の買い物となった。
「芳郎氏は昨年のセレクトセールでも2億円以上を使っています。いくら息子がAKBで儲けているとはいえ、不況なんてどこ吹く風といった景気の良さ。最高額2億6,000万円のディープ産駒はセガサミーの会長・里見治氏が落札しましたが、総額では負けていません」(競馬紙記者)
窪田社長がAKB効果で景気がいいのは分かるが、大企業の会長に引けを取らないほどの大盤振る舞いを見せる芳郎氏とは何者なのか。
芳郎氏はトーテックや東京ウェルズ、東京コイルエンジニアリングといった電子部品会社の代表取締役などを務める人物。いわば筋金入りの資産家であり、窪田社長は二代目のボンボンといったところ。AKB設立に関しても、芳郎氏の力が大きかったといわれているようだ。
「秋元康氏やオフィス48の芝幸太郎氏がAKBプロジェクトを温めている時期に、20億円といわれる準備資金の調達を買って出たのが窪田社長。この資金があったから電通も動いたが、ウェディング関連事業を興したもののパッとしなかった窪田社長が簡単に用意できるわけがない。この金は芳郎氏の援助が大きかったようだ。芳郎氏というパトロンがいなければ、AKBは誕生していなかったと言っても過言ではない」(芸能関係者)
AKBプロジェクトにとっては、窪田社長は大事な“金づる”だったといえそうだ。その後のAKBの成功によって、窪田社長の権力は強まっていく。
「窪田社長の寵愛を受ければ待遇が良くなり、ゴリ押しもしてもらえるということで、メンバーたちの間で“社長争奪戦”が繰り広げられた。人気メンバーSが勝ち抜いたようだが、彼女は窪田社長の計らいで競馬番組のレギュラーになった。S以外にも、決して美人ではないのに運営が持ちあげていたMなどは、窪田社長のお気に入りだったといわれています」(前同)
ボンボンとして生まれてアイドルビジネスで成功し、若い女性たちからチヤホヤされるとは、何ともうらやましい限りである。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)