■アイドル騒動をめぐって
──4月のアイドル路線に変更騒動のとき、ユッフィーが悪役にされたじゃないですか。あのときユッフィーはどういう心境だったんですか?
ユッフィー 「『ごめんねー』って思って見てましたね。いや、あんなになると思わなかったんですよ!」
プー 「なにもかも1周年ライヴがいけなかったんですよ、渡辺さんが」
ユッフィー 「もっと『ウソだろ~』とか笑いながら、でも『たまにはこういうのも面白いよね』みたいな感じで半分だまされて半分笑ってくれるみたいな感じになるのかと思ったら、渡辺さんのウソ泣きとかあって急にリアルになっちゃったじゃないですか。それで皆さんが心配してるのがわかって、バラしたときにちゃんと戻ってきてくれるか不安でしたね。あと私推しの人がすごい可哀想だったから申し訳ないなと思いました」
──BiSのライヴは4回目から見ていますが、ずっと好きでいると、本当に心が消耗してくるんですよ。並べられたトマトが次々にグチャグチャに潰されていくような気持ちになるんです。本人たちは辛くないですか?
プー 「もう慣れたし、楽しい」
──のぞしゃんは一回ブログを書いて、皆が怒ったのでアメンバー限定にしたじゃないですか。あのときはどういう心境でした?
のぞしゃん 「なんか嫌でしたね。いつも皆、曲解しようとするじゃないですか。わざとなんですかね、あれ」
ユッフィー 「あれは私たちが仕掛けたドッキリだから成功だったってことなんだよ」
プー 「でも最初は偽物のPV撮ってるときも『騙されないでしょ』とか言いながらやってたのが、あれをきっかけに自分たちが思ってた以上のことになったし、のぞしゃんも悩んじゃったし、気持ちがついていかなくなったけど、でもそれを見て逆にもう『ここまでやっちゃったからやりきろう!』みたいな感じになりましたね」
──ああいう仕掛けはないですよね、今後。辛いんです。
プー 「それはないとはいいきれないですよ」
ユッフィー 「わからないですよ!」
プー 「私たちもドッキリ仕掛けられてるようなもんですから、一緒ですよ」
──……これ以上辛い思いしたくないんです。
プー 「嘘ばっかりみんなMだから!」
■BiSの今後の目標~公約は15位!
──そんな事件を経てメジャー・デビューすることになって、リキッドを終えたBiSの目標はどこになったんですか?
プー 「とりあえずもう今やることを必死でやることしかなくて、今は状況がけっこう変わったんで毎日仕事もあるし」
──公約で何位ぐらいを狙いますか?
プー 「15位くらい」
――強気できましたね……!
プー 「それくらいいかなきゃいけないんですよ」
のぞしゃん 「ホントにめまぐるしくて、どこに目標を設定したらいいのかわからない感じですよね。15位っていうのは、これはもう言われてる目標」
──重要な話をしてる最中なんですが、ミッチェルがさっきから目をいじってますね……。
ミッチェル 「なんか入っちゃって。今の目標は目のゴミを取ることです」
──その一方で、ワッキーはつらそうな顔をしてますが……。
ワッキー 「15位っていうのがすごく精神的にきちゃって」
ユッフィー 「うーん、でもやるしかないですよ。もう話がどんどん大きくなっていくから、今自分でついてけてないと思うんですよ。なんかもう何をしていいかわからなくなってきて最近。だから今仕事を頑張るしかないのかな」
──ユッフィーがブログで「がんばれてない」って書いてましたよね。すごく働いてるのに。
ユッフィー 「仕事してる時間は長いんですけど、その中で自分が何ができてるのかなってすごく思ってて。あのブログを書いた前日くらいに友達に会って、友達がすごい頑張ってたんですよ。でも皆は私がアイドルやってるから『ユッフィーはアイドル頑張っててすごいね』って言ってくれるけど、アイドルとして何を頑張ってるのかいまいちよくわからなくなってきて、流れに乗ってとりあえずこなしてる感が今すごく自分であるんです」
──前回のインタビューの時にユッフィーは教員実習の話をしてましたよね。あれどうするんですか?
ユッフィー 「どうしようと思って。今年は1週間の実習があるんですよ。一応ちゃんと大学には相談んしてスケジュール次第で行けたら行きます。でも卒業してからもいけるんで、あの今年行けなくてもいつか取ります」
──ユッフィーがBiSと手堅い教員の将来とを天秤にかけて、「私は教員実習に行きます」って言って抜けちゃったらどうする?
プー 「大丈夫ですよ。抜けないんじゃないですか」
のぞしゃん 「困っちゃう、ユッフィー抜けたら……」
ユッフィー 「ありがとう……」
──素の発言になっちゃいましたね……。
プー 「大丈夫、誰が抜けてもすすむ! もちろん止めますよ。でもBiSは、私が抜けても、のぞしゃんが抜けても、ミッチェルが抜けても、ワッキーが抜けても、誰かひとりでもやるって言ったら進んでいくグループだから」
■BiSの商品価値
──でも、この5人で初めて撮影した「PPCC」のビデオ・クリップの冒頭で泣きそうになったんですよ。『これはもうBiSが資本主義社会と戦う象徴だ』って、気持ち悪く感動してたんです。BiSも自分たちが消費されていくレールに乗っちゃったわけじゃないですか。そういうのって怖くないですか?
プー 「こわくない、そんなに考えてない」
ユッフィー 「まだ実感としてわかないんです」
ミッチェル 「商品だな、って思う」
──ミッチェルは商品として自分自身は何点ですか?
ミッチェル 「だめです。30点……くらい」
プー 「3点」
のぞしゃん 「全然です……」
ワッキー 「ええー、マイナス……」
ユッフィー 「廃棄ですね……」
──マイナスだの廃棄だのが出ちゃってる!頑張りましょうよ!
ユッフィー 「アイドルとして外側から見るBiSがわからなくて。客観的に見れるようにならないとがダメかなと思うんですけど」
──ライヴの選曲はまだプーがやってるんですか?
プー 「やってます」
──けっこう今はガンガン前に突っ込んでくる激しい曲が中心ですよね。
プー 「最近は古参の人はつまらないと思うんですよ。マンネリだなって思ってるんだろうな、ってのはあるんですけど、今ってどんどん新しい人が来てるから、そこに向けてやらないといけないっていうのがあって、そこが楽しめるようなセットをやらないといけないってのはあるんです」
──今はしょうがないですね。
プー 「30分ライヴとかだと、対バンもあるから、そこも考えていくと、やっぱり鉄板の『研究員さん含めてBiS』っていうのが見せられるセットリストにしてるんです。ワンマンだとゆったりした曲をやっても全然いいと思うんですけど」
──最近は怪我人が出ないか心配にならないですか?
のぞしゃん 「なります……」
ユッフィー 「アンプとか乗りかかっている女の子とかもいるから、大丈夫かなって思って心配になります」
プー 「前に苦しそうな顔の人とかいると、ホントびっくりして」
ユッフィー 「怪我も覚悟で捨て身で楽しんでる人ならまだしも、そうじゃない人が巻き込まれちゃったら申し訳ないなって思ってます」
プー 「その辺はたぶんみんなけっこう気にしてくれて、『レリビ』で『今から回りますよ』とか周りに言ってくれてる人がいるのも知ってます。こっちから『やっちゃダメだよ』って言いたくないし、それもつまらなくなっちゃうから」