さまざまな話題を振りまいた「第4回AKB48選抜総選挙」。大島優子のトップ当選や篠田麻里子の「潰しにこい」発言、スーパー研究生・光宗薫の落選など、悲喜こもごもがあったが、そのドラマをつくり上げたのは投票したファンたちだ。推しメンの順位を上げるため、ファンが投票権のついた同じCDを何十枚も購入するのは当たり前となっており、1000枚以上も買った猛者もいる。
熱病にかかったかのようなファンの盛り上がりだったが、この状況を国会議員が危惧し、「コンプガチャと同様の問題がある」「自主規制すべきでは」と主張している。
今月8日、自民党の礒崎陽輔参院議員(54)が自身のTwitterで以下のように発言したのだ。
「AKB48の文化論については専門家に任せますが、『総選挙』の投票権を金で買うという点は、コンプガチャと同様の問題があると考えます。同じCDが投票のため何枚も買われていると聞きます。どうやって規制するかは難しいのですが、『一人一票』を選挙管理規則に規定すべきでしょう」
ネットユーザーからは「ファンが納得して買ってるのだから問題ない」「国会議員が首を突っ込むことか?」などといった意見が寄せられたが、青少年問題が専門分野の一つである礒崎氏は、未成年への影響を危惧しているようだ。
さらに礒崎氏は「別に『総選挙』も、その投票権をCDの付録にすることも、異議はありません。ただし、そのために青少年が大量買いするような事態があれば、社会問題として考える必要がある」とも主張している。
大人が納得ずくで買っているのならば、外野が口を出すことではない。しかし、AKBのファンには未成年も多く、そういった青少年が無理をして異常な大量買いをしているとすれば、問題だと感じるのも理解できる。
礒崎氏は総選挙に法的な問題はないという考えを示した上で、「公的規制の問題ではないと考えますが、青少年健全育成の観点から、何らかの自主規制は考えてほしいですね」「私は『一人一票』ならば問題ないと考えます。本来の用途に関係のない大量買いは問題です」と提言している。
今年4月にはAKBのCDやグッズの購入費を稼ぐために空き巣や窃盗を繰り返していた少年グループが逮捕される事件が起きており、これは礒崎氏の危惧と無関係とは言い切れないだろう。また、総選挙後に大量のCDが廃棄されていたという倫理的な問題も発生している。未成年に配慮した自主規制という選択肢も必要なのかもしれない。
AKBの代名詞ともなっている選抜総選挙だが、彼女たちのブレイクと共に様々な問題が噴出している。法的に問題があったコンプガチャとは根本が違うという見方もあるが、青少年への影響という意味では共通した部分があるのは確かだろう。かねてから「アコギすぎる」という批判が起きていたAKBの販売戦略。国会議員が問題視したことで、再びAKB商法に対する批判が強まる可能性もありそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)