「結婚するまでセックスはしない」という美徳がすでに前時代的なものになり、婚前交渉が当たり前になりつつある現代。出会ってすぐであったり、一夜限りのセックスだったりと、「インスタントセックス」が当たり前になってきた。心の寂しさをカラダで埋めるインスタントセックスに興じる女性が若者の間で増えてきている。
「据え膳食わぬは男の恥」ということわざがあるようように、チャンスがあればセックスする男性と違い、心や感情に左右される女性のセックス。インスタントセックスには男性ならではの本能に近い部分を感じるが、女性にとってはどうだろうか。
女性の社会進出で、仕事に忙しく彼氏を作る暇すらない女性も多くなってきた昨今。彼氏がいれば満たされるはずの心の寂しさを埋める手立てがない女性や、彼氏がいても男性の仕事が忙しく、なかなかかまってもらえず、寂しさを感じる女性も多いのではないか。そんな女性が、一時の寂しさを紛らわせるためにインスタントセックスに走るのも理解できる話だ。
一方で、自分に自信がないばっかりに、ちょっと男性から優しくされたり誘われると舞い上がり、ホイホイ股を開く女性にもインスタントセックスが多いという。本人はインスタントであるという気持ちがないのに、駆け引きがうまくできず、不倫やヤリ捨てといった、都合のいい女ポジションから抜けられず、はからずもインスタントセックスの繰り返しになるというのだ。
また、付き合う前のお友達段階でセックスし、カラダの相性で振るいにかける女性も増えてきた。
肉食系OLとして、年間100人以上とセックスに興じる美緒さん(仮名/25歳)は、
「合コンでいいな、と思う人とはとりあえずその日にセックスしてみるんです。でも気持ちいい、理想のセックスっていうのにはなかなか巡り会えない。『この人だ!』と思っても、なんだかそのあとが続かなくて困っちゃう。連絡先を交換してもお互いにそれっきりだったり、会ったとしても妙に気まずいっていうか……。すでにセックスしてるのに、付き合ってるのか付き合ってないのかわからないまま、お茶してバイバイっていうのもなんだか居心地悪いし。こういう付き合い方しかできないのは私もどうかと思うんだけど、すごく好きな人ができたのにカラダの相性が最悪だったらイヤなので、変えるつもりはないんだけど……」と悩みを語った。
男性と違い「寂しい」「誰かと繋がっていたい」「理想のセックスがしたい」というような欲求が見える現代女性のセックス観。愛情表現とは別にコミュニケーションを重視する女性が多くなったことが、インスタントセックスが増える要因になったひとつでもあるのだろう。
(文=三坂稲史)
恋もSEXもささっと終わらすのがトレンド!?