その神々しい美しさとは別の”生々しいエロス”が発揮された映画がいよいよ公開!
取材場所:池袋シネマ・ロサ
愛と性をテーマにした3作品を集中上映する「ラブ&エロスシネマ・コレクション」が、東京・池袋のシネマ・ロサで6月16日から開かれる。なかでも注目されているのは、女優・嘉門洋子(32)が出演する『農家の嫁―三十五歳、スカートの風』(金田敬監督)。農家に嫁いだ30代の主婦・愛が、アイドルになる夢を捨て切れずに夫に内緒でモーニング娘。のオーディションを受けるために奮闘するという異色のストーリーだ。これまでの嘉門のイメージを覆す役柄になっており、東京に向かうために呼び出した元カレらとのセクシーな濡れ場も満載となっている。
妖艶さを身に付けた彼女の愛と性に迫るため、新機軸に挑戦した嘉門を直撃した。
──今までの嘉門さんのイメージとは違う役柄ですね。
嘉門 今までは意地悪な役とか騙す役が多かったんですが、実は地はドン臭い方なんですよ。だから、今回の農家の嫁という役が来た時は自分に近いような気がして嬉しかったです。
──世間的には、嘉門さんというと強気なイメージがあると思います。
嘉門 そうなんですよ。よく言われます。でも、いつも泣いているくらいなんですよ(笑)。
──自分に近い役ということで、演じやすかったですか。
嘉門 そうですね。でも、いつもそんなに役作りは無理してない方なんですよ。役と一緒に自分も成長してという感じなので、自分と役を分離して考えたことがなくて。だから、いつも取材で「役作りで大変なことはありましたか」って聞かれるんですけど、あんまりなくて。
──アイドルに憧れる主婦ということでしたが、嘉門さん自身も東京パフォーマンスドールの研究生だった経験がありますね。ご自身もアイドルグループに憧れていたんでしょうか。
嘉門 私の場合は、雑誌でオーディションに受かればレッスンが受けられるという募集を見つけて応募しただけなんです。すぐにやめちゃって、グループとしての活動はしていないんですけど。それからすぐに別のところからグラビアのお話があって、それでデビューしました。
──芸能界に憧れていたということなんでしょうか。
嘉門 どうしても芸能界に入りたかったというより、私は家庭環境が良くなかったので、そこから抜け出したかったという気持ちが強かったですね。石川県の田舎に住んでいたので、雑誌でオーディションを見つけるくらいしか脱出の仕方が分からなくて。オーディションに受かったら、違うところに行けるんだって思ってました。
──劇中の愛さんとは動機は違うものの、現状からの逃避という意味では似通ってますね。嘉門さんが演じた愛さんは、どのような人だと思っていますか。
嘉門 旦那さんに全然愛されていないと思い込んでて、もっと女としての幸せがあるんじゃないだろうか、って思っちゃってる人ですね。でも、旦那さんは本当は愛さんのことが好きなのに、上手くいえない。そこがもどかしいなって思いました。
──愛さんのように「好きな人に女として見られなくなった」と感じた時に、不倫や逃避行に走ってしまう気持ちは同じ女性として分かりますか?
嘉門 私はまだ結婚してないんですけど、気持ちは分かります。結婚した人が自分の期待するような感じじゃないとか、愛情の温度差を感じると、「私ってこれでいいのかな」「もっと幸せにしてくれる人がいるんじゃないだろうか」とか思っちゃうでしょうね。
──嘉門さんと同年代のグラドルの結婚ラッシュが続いてますが、ご自身は結婚願望はありますか。
嘉門 昔から家庭へのあこがれがすごくあって、結婚願望は強いんですよ。「ただいま」って言える人が欲しいなって思ってるんですけど……。
──嘉門さんは、映画で演じた「農家の嫁」という選択肢はアリですか?
嘉門 全然アリです。望ましいくらい。私、農業とかしたいってすごく思ってたことがあったんですよ。今でも田舎に住みたいくらいなんですけど、それだと仕事ができなくなってしまうので……。
──これもイメージと違うんですけど、自然が好きなんですね。
嘉門 大好きで自然がないと生きれないくらいです。空いた時間があると、公園に行ってるくらいです。
──逆に華やかなところって嫌いなんですか。
嘉門 苦手ですね。できれば、パーティーとか行きたくないです。疲れちゃいますね。
──かなり嘉門さんに対する印象が変わりました。昼ぐらいに起きて深夜は繁華街にいるようなイメージだったんですが(笑)。
嘉門 昨日、私何時に寝たと思います? 夜8時くらいに寝たんですよ。
──それならリアル農家の嫁も十分に務まりそうですね。でも、そんなこと言っといて半年後くらいに青年実業家と結婚とかないですよね?
嘉門 よくあるパターンかもしれないですけど(笑)、今のところないですね。
──今回の濡れ場を拝見して、以前よりもセクシーさが増したように思いました。昔と比べてご自身の身体の魅力の変化は感じていますか。
嘉門 そう言っていただけると嬉しいんですけど、自分ではあんまり気にしてなくて。昔は「パンパン」って感じだったですからね(笑)。
──スタイルの維持で心がけてることってありますか。
嘉門 物凄く気を使っていた時もあったんですけど、最近はそんなに無理をしていません。ヨガをやったり早寝早起きするとかぐらいですね。健康的な生活をしていれば、健康的な身体でいれるんだなと気付いて。
──濡れ場の解禁や昨年のヘアヌード写真集の発売など大きな決断がありましたが、抵抗はありませんでしたか?
嘉門 うーん、大丈夫かな?とか思いましたけど。
──それは何が大丈夫ということでしょう。
嘉門 仕事なくなっちゃったらどうしようとか。
──脱ぐと仕事が減るんじゃないかということですね。女優さんは脱げることで仕事の幅が広がる部分も大きいと思いますが、不安の方が大きかったですか?
嘉門 両方ですね。脱いじゃダメだって言う人が大半でしたし。でもラブシーンができることで女優として深い表現ができるし。発言もグラドルとしては言いづらいことがあったけど、脱いだ後はちゃんと共感してもらえる深いことが言えるんじゃないかなと思います。でも、やっぱり人に「脱いだらダメになる」と言われると、弱い私ですから不安になるんですよ。打たれ弱いんです(笑)。
──ラブシーンというのは、演出に沿ってやるものなんでしょうか?
嘉門 演出が細かく入る時と、そうでもない時がありますね。『不倫純愛』(2010年/矢崎仁司監督)の時は、相手が津田寛治さんで階段から絡みながら降りてくるんですけど、「動物のように」とか言われただけでアクションシーンみたいに撮りました。
──アクションですか?
嘉門 津田さんがすごくガーッっとくる方で、私が脚とかで支えないと二人で転倒しそうになるんですよ。そういう気の使い方が、アクションみたいだなって。津田さんはベテランなのでラブシーンに関してはお任せして、ケガのことだけは私が気を付けて。シーンが終わった後は、脚がアザだらけでした(笑)。
──セクシーさが増した嘉門さんにとって、今作のテーマになっている「ラブ」と「エロス」って何でしょう。
嘉門 ラブは心の会話、エロスは身体の会話ですかね。以前は、両方とも必要なものだから「ご飯のようなもの」とも答えたんですけど。
──最後に今作の見どころをお願いします。
嘉門 登場人物の人間臭さが表現されている映画で、男性が見ても面白いし、女性にとっても共感できる内容になっていると思います。是非ご覧になっていただいて、悩みながらも頑張っている愛ちゃんを見て、皆さんも恋愛や色んなことを頑張ってほしいなと思います。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops/写真=辰巳千恵)
嘉門洋子(かもん・ようこ)
1980年3月6日生まれ。石川県金沢市出身。
東京パフォーマンスドールの研修生を経て、96年にグラビアアイドルとしてデビュー。97年にフジテレビビジュアルクイーンに選ばれ、以後はドラマやバラエティーなどで活躍。今年2月に二冊目のヘアヌード写真集『嘉門洋子2』(講談社)を発売。円熟ボディを披露したイメージDVD『My everything』(イーネット・フロンテア)を3月に発売。
<ラブ&エロス シネマ・コレクション 2ndシーズン>
池袋シネマ・ロサにて6/16より3週間連続レイトショー
嘉門洋子主演『農家の嫁―三十五歳、スカートの風』6/16~6/22
出演:嘉門洋子、勝矢、吉岡睦雄 山内としお 他
監督:金田敬
公式HP→http://www.love-eros.jp/
6/16初日舞台挨拶あり。6/21トークイベントあり。