アナタはどの部位が好き?

ワキ下、足、クチ…細分化する匂いフェチの世界

411HT9ET4CL._SS500_.jpg※イメージ画像:『ニオイふぇちぃ』著:竹内結子/ぴあ

 まだ5月の中旬であるが、コンビニには冷やし麺の新メニューがずらりと並び、テレビをつけても、日焼け止め・制汗スプレーのCMが、ずいぶん増えてきたように感じる。そう、制汗スプレーといえば、世の女性たちが、体臭を気にし始めるこれからの季節を憂いている「匂いフェチ男性」も少なくないはずだ。匂いフェチにとって、制汗スプレーは、女性特有のメス臭を、人工的な微香に変えてしまう、目の上のたんこぶ的なアイテムである。

 なお、匂いフェチといっても、決して「汗」だけに限られたものではない。そもそも、汗ひとつにしたって、汗をかく部位によって好みが分かれる。

 まずは、スタンダードな「ワキの下」。ワキは、最近でこそエステで永久脱毛を施している女性が増えているが、カミソリや毛抜きなど自己処理派女性にとっては、万が一の剃り残し・抜き残しを考えると、出来るだけ大っぴらにはしたくない部分である。逆に、男性にとっては、「隠されれば隠されるほど見たくなる」という点で、非常に興味をそそられる部位なのだ。その影響か、男性向け雑誌で、表紙モデルがワキを見せたポーズをとると、売り上げがアップすると語る業界関係者もいる。その部分にかく汗なのだから、匂いフェチにとってはほっとけない部位である。ちなみに、ワキ汗なのだから、タンクトップやキャミソールなど袖ナシの服を着た女性に萌えるのかと思いきや、意外にも「半袖着用」を推す声が多かった。ワキ下に浮き出る汗ジミに興奮を見出すのだという。肝心の匂い自体に関しては、ほのかに鼻をつく程度の臭みを良しとする者もいれば、強烈なワキガ臭に惹かれるという者もいた。ワキガに魅力を感じる人にも2タイプあるようで、「美人なのにワキガというギャップが良い」という人もいれば、「ワキガなら、いっそ性別すら問わない」という強者も。

 ワキに次いで多かったのが、「足の匂い」の愛好家たち。特に、パンストやブーツなどで蒸れた匂いに魅力を感じるのだそう。ということは、サンダルやミュールが増えるこれからの季節よりも、冬場のほうが、足の匂い愛好家にとっては都合の良い季節ということになる。前述のワキ汗愛好家に関しても、制汗スプレーが出回る夏場よりも、冬のほうが好都合なのかもしれない。

 変わりどころでは、口臭ファンだという男性。口臭こそ、季節関係なく、エチケットとして誰もが気にする部分かと思うが、だからこそ、稀に出会う強烈な口臭の女性にたまらなく魅了されるというのだ。匂いの種類としては、「便臭」がダントツ人気だった。腸内環境が良くないと、口から便臭が漂うことがあるらしいのだが、そういった便臭女性との性行為で、鼻を舐められるのが性的快感につながるのだそう。彼らにとっての目の上のたんこぶ的アイテムは、制汗スプレーではなく口臭予防グッズなのだろう。

 部位ではなく、「汗っかきの女性」に惹かれるという意見もあった。スポーツだろうと、肉体労働だろうと、ラーメンを食べている時だろうと、とにかく「女性が汗だくであること」が重要なのだそう。細かくいうと、ファンデーションが流れ落ちてかく茶色い汗だったり、騎乗位セックスにおいて、上に乗っている女性の汗が垂れてくることに萌えるという。ところで、汗っかき=ふくよか体型というイメージが強いが、汗っかき女性フェチの男性に言わせると「決してデブ専ではない」とのこと。マラソン中継などで、スレンダーな選手たちがかく汗も大好物のようだ。

 同じく、部位ではないのだが、「女性の生理臭」を推す声もあった。「男は船、女は港」という言葉があるが、生理中の女性の陰部は、港というよりは漁港のような生臭いにおいを発することもある。それを好むというのだから、驚かされる。この生理臭欲求を満たす最大のプレイは、なんといっても「生理中の女性とのセックス」だという。生理中女性とのセックスは、決してNGではないのだが、クンニリングスは避けるなど、衛生面には充分に配慮したうえで行なっていただきたいものだ。

 今回ご紹介したのは、「匂いフェチ」のほんのごく一部である。この記事を読んでいる人の中には、「俺はもっとマニアックな匂いが好きだ!」という人もいるだろう。しかし、時代はいま、潔癖すぎるのではないかというくらい、匂いに対して敏感なご時世になってきている。そう考えると、匂いフェチにとっては、過ごしにくい時代なのかもしれない。
(文=菊池 美佳子)

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