主にあるのは温泉街や大都市の歓楽街。パブやスナックから女のコを連れ出してラブホで遊べる店。それが、“連れ出しパブ”や“連れ出しスナック”などと呼ばれる裏風俗だ。主にアジア系の飲み屋が中心だが、まれに日本人や金髪系の白人の店、または混在の店がある。遊び方は、女のコと一緒に飲んでいると、30分程度でママが小声で話しかけて来る。
「よかったら遊びに連れてってあげて」
もちろん、ディ○ニーランドに連れて行くわけではなく、「ラブホで一発どう?」という意味だ。
料金はショート(60分程度)2万5,000円、泊まり4万円が相場で、これにホテル代、店によっては5,000円程度の連れ出し料がかかる場合がある。さらに、この他に最初の飲み代が必要なわけで、ショートで遊んでも3万~4万円と、決して安くない遊びだ。しかし、これがオモシロい。一緒に飲んで楽しくおしゃべりしてコミュニケーションをとってから遊びに連れ出すので、キャバクラやスナックで知り合った女のコをラブホに連れ込んでエッチする感覚と似ているのだ。
風俗店のように、店のシステムやオプションなんてのももちろんナシ。キスもフェラもゴムのアリなしも、女のコとのコミュニケーション次第と、「何も決まっていないところから、可能性を引き出す楽しみ」が隠れている。酒好きで女好きな男性にはたまらない遊びだ。
それほどオモシロい連れ出しパブの探し方には、地域性が絡んでくる。
連れ出しパブとセットになっているのがラブホテルだ。近くにラブホがあるアジア系スナックの集まった飲屋街なら可能性は高い。
一軒一軒、店に聞いて廻るわけにもいかないので、逆にラブホから出て来るアジア系の女のコを見かけたら、どこに戻るのか、それを突き止めるのも探し方のひとつだ。大きな温泉街なら必ず1軒や2軒の連れ出しパブがあるので、ポン引きやタクシーの運ちゃんに聞いてみるのもいい。
ちなみに記者調べでは、全国で最も連れ出しパブが多いのは長野県だ。表風俗の出店が条例で厳しく規制されているため、裏風俗の連れ出しパブが増えたと考えられる。
ユニークなのは、その地域地域で女のコの国籍が違うところ。例えば、御代田町(みよたまち)のスナックにはタイ人の女のコが多く、中込(なかごみ)や上山田温泉には韓国人、松本の西堀にはタイ、台湾、インドネシアといった具合。コミュニティーが確立されている小さな飲屋街ほどこの傾向は強く、大きな歓楽街になるほど入り交じってくる。
その他、ユニークな連れ出し店としては、群馬県伊香保温泉では、スナック街にあるラーメン屋や居酒屋でも女のコを連れ出すことができる店がある。
以前は数人の女のコを置いているラーメン屋が実際にあったが、現在はスナックから女のコを呼んで店内で顔見せして、客が気に入れば連れ出すシステムになっている。ちなみに、伊香保温泉にはラブホがないので、遊ぶのは、女のコが生活している部屋だったり、安く借りたアパートだったりする。
また、三重県鈴鹿市のスナックには中国人、台湾人に交じって1人だけ金髪のブラジル美女がいた。記者の手を握って一緒に飲み、時に強く握りしめてアピールしてくるのだが、残念ながら持ち金が足らず、悔しい思いをしたことがあった。ちなみに、店の他の女のコたちとの共通語は日本語らしい。
日本人の女のコを連れ出せるのは、沖縄の辻町にあるスナック。数軒の連れ出しスナックがあり、現地では『デートクラブ』や『観光パブ』などと呼ばれている。狭い島文化ゆえ、顔バレ防止のため、見た目でジモティーと思われる男性の入店は断られることがある。
大阪のハプニングバーでも、ヒマな時は店員を連れ出せる店があったりと、近くにラブホがあればどの店でも可能性はある。ふと入ったスナックが、妙に女のコの数が多ければ、ひょっとしたらそうかも知れない。連れ出しスナックに巡り会うチャンスは意外に多いのだ。そして、かわいいコがついたなら、早めに連れ出すことをオススメする。後から来た常連オヤジに横取りされる前に。
次回は、全国の赤線、青線地帯を巡ってみよう。
(文=松本雷太/著書『超おいし~日本全国フーゾクの旅』宝島社)
【ニッポンの裏風俗 バックナンバー】
第1回 昭和初期にトリップしたかのような街並み、大阪・飛田新地
第2回 顔見せが無くても人気の新地…大阪五大新地
第3回 政治に翻弄された沖縄風俗
第4回 四国裏風俗ルポ 香川・徳島・高知
第5回 四国裏風俗ルポ・松山
第6回 生駒新地
第7回 全国のポン引き地帯
第8回 本サロ、本ヘル
第9回 温泉コンパニオン
第10回 お手頃料金で遊べる温泉風俗