光があれば必ず影が出来るように、たいていの物事には、メリットもあればデメリットもある。例えば、一人暮らしか、実家暮らしかという部分。一人暮らしには、いつでも異性を連れ込めるなど、自由気ままという最大のメリットがあるが、家事を全て自分でこなさなければならず、金銭的にも、あれやこれやと雑費がかかるので、なかなか貯金が貯まらないというデメリットがある。対する実家暮らしは、金銭的にも家事の面でも居心地は良いが、日常的に異性を連れ込んでセックスというわけにはいかず、また何の根拠もなく「自立できていない」などと後ろ指をさされることもあるようだ。ここでは、前者のほう、一人暮らし派に注目してみよう。
一人暮らしで、自由気ままな生活を謳歌しているという人も、「GWは実家に帰省」という人は多いだろう。「恋人と海外旅行!」など、華やかな予定があるわけでもなく、かといって数日間ずっと家に一人きりというのも退屈となると、最終的に残った選択肢が「実家へ帰省」ということになる。
実家とは、いや親とはありがたいもので、我が子の帰省を無条件に喜び、夕食には豪勢な料理が並び、手厚い歓迎を受ける。だが、居心地良く感じるのは、せいぜい数時間程度で、すぐに「窮屈だ」と感じてしまう人も多いだろう。
実家が窮屈に感じてしまうその原因は、なんといっても「オナニーしづらい」というひと言に尽きるだろう。中高生の頃は、工夫に工夫を重ねて家族の目を掻い潜りオナニーを決行していたわけだが、一人暮らしの、いつでもヌキたい時にオナニーできる環境に慣れ過ぎてしまうと、実家でのオナニーが難しく感じたりするものだ。もちろん、実家に帰省中は、親子3人「川の字」で就寝、というわけではないだろう。ほとんどの人は、中高生の頃に使っていた自室が、そのまま残っているはずだ。よって、一人になれる空間がないわけではないのだが、「中高生の頃のように、親がいきなりドアを開けたら……」などと思うと、快感に集中できず、不完全燃焼のまま射精に至れなかった、という不本意な結果に終わることもある。
かといって、地元の風俗店に行こうにも、万が一知人に会ったら、と考えると、うかつには動けない。そもそも、久しぶりの里帰りで、同級生に会ったり墓参りをしたりなど、それなりに忙しいので、風俗に行く時間がない。そのうえ、地元の風俗情報を網羅しているわけではないので、うっかり地雷を踏んでしまう可能性だってある。
よって、GW明け、久しぶりに一人暮らしのアパートに戻ってきた途端、風俗欲がムクムクと沸いてくる。出会い系欲も然り。しかし、風俗嬢たちは、GW中は遠方から遊びに来る男性客の予約で忙しいので、GW後に休暇を予定しているというパターンも少なくない。都心の風俗店に勤務する女性いわく、「GWを利用して、遠方から足を運ぶお客様は意気込みが違う」のだそう。確かに、年に数回の都心風俗遊びゆえ、はじけてしまうのは当然だろう。そのため、風俗嬢たちも通常勤務以上に体力を使うとのこと。もちろん、通常勤務では手抜きしているという意味ではないが。そして、体力的にハードだったGW期間を終えると、まとまった休暇が欲しくなるものだという。
つまり、GW後は、「帰省中に溜め込んだぶんをヌキたい!」という需要と、「GW中は精一杯働いたから、GW後は休みたい」という供給が合わない、残念な現象が起こってしまう。もちろん、GW後の風俗店が全てすっからかんというわけではない。通常通り勤務している嬢もいるだろう。とはいえ、GW期間中の疲れが残っている可能性は大いにある。プロである以上、決して疲れた顔を見せることはないだろうが、やはり客としては、嬢のスタミナが満タンの時に楽しみたいものだ。
以上を踏まえると、GW明けの風俗遊びは、数日~1週間程度空けると良いだろう。ちょうど、風俗嬢たちの体力も回復してきた頃である。GW明け休暇をとっていた嬢も戻ってきているだろう。では、帰省中に溜め込んだ性欲はどうするか、というと、やとりあえずは一人暮らしの部屋でオナニーがベスト、ということになる。家族に感づかれるのを気にすることなく、思う存分オナニー出来る喜びを噛みしめることによって、家事の手間だとか、貯金が思うようにいかないとか、一人暮らしのデメリットなどどうでもよくなるはずだ。オナニーに飽きたら、デリヘルを呼ぶ日に備えて、部屋を片付けるのも良いだろう。派遣型よりも店舗派だという人は、数日後の予約日に向けて、爪を切るなり陰毛を整えるなり、有意義に過ごす方法はいくらでもある。はやる気持ちをおさえて迎える風俗遊びは、必ずや満足できるものになるはずだ。そのためにも、GW中に金を使いすぎないよう、要注意である。
(文=菊池 美佳子)