芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、芸能界の裏側に横たわるオトコとオンナの深い業を掘り起こします。
3月、東京地検特捜部に所得税違反容疑で豚肉輸入会社社長の柴田謙司被告と堂谷邦宏被告が逮捕・起訴された。海外からの豚肉仕入れ費約12億1,000万円を水増しするなどの手口で、約4億7,000万円の所得税を免れていたという。当コラムでも、柴田被告の“脱税マネー”が銀座8丁目の大箱クラブ「0」に流れていたという疑惑を報じた(※ビートたけしもお気に入りの銀座のクラブに国税のメス?)が、その後、4月25日、2人は別件逮捕されている。今回はなんと、冷凍豚肉の輸入に際して、136億円もの関税を免れていたといい、過去最大規模の脱税事件となったのだ。
「逮捕後、クラブ『0』には、地検の捜査員と思しき人物が、連日のように入っているんです。そのこと知った常連客のT氏は自分のところにも飛び火するんではと怯えてますよ。“脱税マネー”が流れたといわれている『0』と『U』にT氏は出資していたと言われているからです」(クラブ関係者)
T氏とは外資系の製薬会社「E」の幹部だ。「E」は世界ではどの薬品メーカーも開発していない、重病疾患の経口治療薬を開発。日本で発売して、一説には年間70億円の売り上げがあると言われている。それだけに Eの幹部は銀座では羽振りが良く、毎晩のように銀座に出没。4人くらいの仲間と次々にクラブをハシゴ。アフターになると、ホステスや男性従業員、20人近くを連れて歩いて、朝7時過ぎまで盛り上がるという。ホステスにしてみれば、T氏が客になれば、売り上げナンバー1になれるということで、朝方まで我慢しながら付き合うという。そのT氏の行きつけのクラブのひとつに「0」がある。
「『0』のAママは、柴田というスポンサーがいることを内緒にして、T氏に『0』、それに『U』をオープンさせる時にいくらかの金を出資させたんです。今回、柴田の脱税事件で『0』に地検の捜査が入ったことで、国税の査察が入るのは時間の問題になった。T氏の落胆ぶりを見ると、出資した金が会社のものだった可能性もある。国税が入れば、その金を回収できないどころか、T氏まで調べられるかもしれませんよ」(7丁目のクラブ店長)
ゴールデンウィーク明けには、国税が入るという情報も流れている。Sママの手練手管には脱帽するが、巻き込まれた関係者や『0』のホステスたちは連休どころの心境ではない。また、夜の銀座の女にうつつを抜けした客のツケも高くつきそうだ。夜の銀座の世界は溺れる怖さを改めて知らされた。
(文=本多圭)
クラブ嬢の未来は?